工藤監督 2~3年後も逆算したリリーフ起用「我慢しました」

[ 2015年9月18日 11:15 ]

「優勝」と書いた色紙を手に笑顔を見せる工藤監督(左)と東尾氏

工藤監督インタビュー(3)

 就任1年目で大輪の花を咲かせたソフトバンク・工藤公康監督(52)。底抜けの明るさはチームを照らし、現役時代から精通し、筑波大大学院でも学んだコンディショニングの知識で体調管理も徹底させ、年間トータルして選手たちの力を発揮させた。秋山幸二前監督(53)の電撃辞任で急きょ前年日本一チームの指揮を託され、時には失敗もあった。そんな喜怒哀楽が詰まった監督1年目に、ともに西武の黄金期を支えたスポニチ本紙評論家の東尾修氏(65)が迫った。

 東尾 投手の話になるけど、武田はこれから中心になる投手だよ。

 工藤 今後求めるのは強さですかね。まだまだ線も細い。彼みたいな投手ならば、15、16勝。打線が良ければ20勝できる。ことし、キャリアハイになってももっと上を目指せと言っています。200イニング投げる投手にならないと、いけない。

 東尾 5月には不調の摂津を休ませたな。

 工藤 摂津といえども、課題を与えました。僕なりの考えを言った。しっかりやった結果、上がって来た時にぽんぽんと勝ってくれた。夏場の暑い時期の2軍というのもよかった。あいつは練習してるけど、太りやすい。炎天下の練習は自分の身に染みたと思う。

 東尾 リリーフの投手起用は我慢したの?

 工藤 我慢しました。サファテ、五十嵐を休ませたり、ブルペンで投げない日もつくりました。森は春先は調子良くなかったので、投げたら1、2日空けた。中継ぎ投手も肩を2回つくっても3回つくったら、基本的に投げさせないようにしました。

 東尾 西武なんて、中継ぎを使いすぎて、くしゃくしゃになったぞ。

 工藤 僕はトータルで考えています。今のままうまくいけば、リリーフが60試合いかない数字になる。来年、再来年も活躍することを考えるとそこ(60試合)が限界かなと思います。

 東尾 2、3年後も逆算?

 工藤 はい。最初からそのつもりですよ。

 東尾 千賀、岩崎、東浜…。楽しみなやつが2軍。よそのチームはいないよ。砂漠状態だよ。

 工藤 ぼくは2軍の投手コーチとも1カ月に1回は話をします。選手へは一人一人、課題を与え、クリアさせるというのは常にやってます。打者が安心して打てるのは、投手が安定していればこそ。投手が安定すれば、戦い方はよくなる。いまの次の選手、また、その次の選手を用意する。三段構えくらいですよ。

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