危険なクロスプレーにNO!捕手出身の伊東監督提案“明確な規定を”

[ 2015年7月18日 06:45 ]

本塁のクロスプレーはルール上の規定がなく、審判の判断に委ねられている

 プロ野球の12球団監督会議が17日、都内で9年ぶりに開かれ、本塁上のクロスプレーについて明確な規定を設けるべきではないかと討議された。

 「3メートル手前から待ち構えているタックルについては、ボールを落としてもアウトにすべきではないか」。最初に声を上げたのは捕手出身のロッテ・伊東監督だった。そこから激論が交わされた。

 今季も5月13日のヤクルト―阪神戦(神宮)で、阪神・マートンが浅い右飛でタッチアップ。両手を体の前にエックス字に構えて、捕手・西田に体当たり。両軍に一触即発のムードが漂ったことがあった。日本のプロ野球では、本塁のクロスプレーについてはルール上の規定はなく、審判の判断に委ねられている。事実上の“無法地帯”だ。

 明らかなラフプレーについては、守備妨害が認められる場合はあるが、逆に捕手が完全に走路をふさいで、ブロックで生還を阻むという場面も見られる。日本野球機構(NPB)も、マートンのプレーを不問としている。当事者のヤクルト・真中監督は「(捕手が)全部ベースにのっかるのはフェアじゃないけど、悪質なものはジャッジできるようにしないと」と話した。

 NPBも悪質な体当たりに関しては、来季からのルール化を検討している。本塁上のクロスプレーは、野球の醍醐味(だいごみ)という側面も持っているが、選手生命の危機にさらされることも少なくない。伊東監督が提案する「3メートルルール」など日本独自のルールづくりは急務。NPB関係者も「野球規則の見直しを検討するということ」とした。

 ▼阪神・マートン(監督会議でクロスプレーに関して議論されたことに)自分としては(クロスプレーでのアウト判定の厳重化を)支持したい。ルールを決めてもらえればそれに従う。

 ▽大リーグでのクロスプレーに関する新ルール クロスプレーによる捕手の故障が相次いだことから、昨季から導入。捕手はボールを保持していない限り、走路をふさぐことはできず、不当にふさげば生還が認められる。逆に走路上にいない捕手に不当に体当たりすれば、走者はアウトとなる。同時に従来の15日間より短い、脳振とうに限る7日間の故障者リスト(DL)も昨季から新設された。

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