中田 両リーグ最速20号!稲葉氏助言で即改善

[ 2015年6月14日 05:30 ]

<日・D>初回2死、ソロ本塁打を放ち雄叫びを上げる中田

交流戦 日本ハム3―2DeNA

(6月13日 札幌D)
 日本ハムは13日、DeNAに3―2で競り勝ち、ソフトバンクと入れ替わって8日ぶりにパ・リーグ首位に返り咲いた。中田翔内野手(26)が初回に20号ソロ。球団では80年のソレイタ以来となる、両リーグ20号一番乗りを果たした。この日はパ4球団が勝ち、今季交流戦はパの勝ち越しが決定。交流戦順位でも日本ハムがソフトバンクを抜いて1位に立ち、1位争いは西武を含む3球団に絞られた。

 バックネット裏の放送席にいた稲葉篤紀スポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO)に向かって、中田は右手を振った。

 「一塁守備に就くときに、稲葉さんが手を上げていた。それに応えようと思った。いつも的確なアドバイスをくれる。これからは毎日、球場に来てもらおうかな」

 初回だ。1死三塁から田中の投ゴロで1点先制し、走者がなくなったところで、4番の一発は飛び出した。左足を高く上げ、体重を軸となる右足にしっかりと乗せた。打球は一瞬にして左中間スタンドへ飛び込んだ。両リーグ最速の20号。「シーズンが終わるまで意識しないで、チームの勝ちだけを意識したい」と冷静だが、球団としては80年のソレイタ以来、35年ぶりの快挙となった。

 試合前だった。テレビ中継の解説をするためにグラウンドに足を運んだ稲葉SCOから「もっと軸足にためをつくった方がいい」とアドバイスをもらった。タイミングを崩されたときに上体が前に動いてしまい、左肩、左腰が開いていた。その悪癖を改善した。9日の巨人戦(札幌ドーム)の19号2ランも、「トップの入りが甘い」と指摘され、それを修正してマークした。よき兄貴分の存在が、中田のアーチ量産を援護している。

 ド派手な一撃に目を奪われがちだが、「全力疾走」も忘れてはいけない。同点の8回1死一、二塁で投手の足元を抜くゴロ。二塁手がベース寄りに守る「中田シフト」にかかり、併殺かと思われた。しかし、最後まで諦めない走塁が相手の失策を誘い、決勝点が入った。

 この日は来場者にラベンダー色の限定ユニホームがプレゼントされ、今季2度目の満員御礼となる4万1138人がスタンドを埋めた。「グラウンドから見ていてもきれいだった。満員になることはそうそうないので気合が入った」。満開のラベンダー畑に突き刺した一撃が効き、チームは首位返り咲き。自分の記録よりも、ファンのために中田はフルスイングを続けていく。

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