早大 茂木弾から大会タイ20安打でコールド劇勝!V王手

[ 2015年6月14日 05:30 ]

<上武大・早大>6回無死、早大・茂木は中方向への二塁打を打つ

全日本大学野球選手権大会第5日 早大11―2上武大

(6月13日 神宮)
 準決勝2試合が行われ、3年ぶり5度目の優勝を狙う早大は、大会タイ記録となる20安打の猛攻で上武大に11―2の7回コールド勝ち。今秋ドラフト候補の茂木栄五郎内野手(4年)が、初回に先制の右越え3ランを放つなど3安打4打点をマークした。14日は、午後1時から決勝が行われる。
【試合結果 組み合わせ】

 打った本人さえも驚く飛距離だ。初回無死二、三塁。茂木が放った打球は高々と舞い上がった。

 「ライトフライかと思った」。確かに打球は高々と上がり過ぎた。ところが強烈なバックスピンがかかり、伸びた。スタンドイン。3番打者は今大会2号となる先制3ランで打線を勢いづけた。

 1年春からレギュラーを張る男に、長打力という武器が加わったのは今春だった。昨年よりもボールの中心部のわずか下にバットをぶつける練習を繰り返した。「バックスピンをかけて飛ばすイメージが少しずつ分かってきた」。フリー打撃から飛距離が伸びた。高橋広監督が「ケージの後ろで見ていても、打球を見失う。凄い振りをしている」と舌を巻くほどだ。過去3年間でわずか3本塁打。昨秋に首位打者を獲得するなどアベレージヒッターだったが、今春リーグ戦では5本の量産。全国舞台でも「どの打席も強く振ろうと決めている」とフルスイングを貫き、リーグ戦から計15試合で7本目となった。

 打席に入ると、投手に向け大声で叫ぶ。桐蔭学園(神奈川)時代の3年夏から続けているルーティンだ。「土屋(恵三郎)監督(現星槎国際湘南監督)から“やってみろ”と言われて始めた。自分は力むことが多いので声を出してリラックスするためだと思う」。高校球児の気持ちを忘れず、大学でも継続している。左の強打者は大学日本代表にも名を連ね、今秋ドラフト候補に挙がる。巨人・榑松伸介担当スカウトは「変化球に対しても対応力が高い。リストが強く、広角に長打が打てる」と高く評価する。

 その言葉通り、6回には逆方向の左中間に二塁打、7回にも左翼線適時二塁打を放った。3安打4打点。打線は先発全員で毎回の20安打を放ち、11点を奪って7回コールドの圧勝だ。安打数は大会タイ記録で、準決勝でのコールド勝ちは大会史上初めて。就任1年目の高橋監督は「よく打ってくれた」と目を細めた。

 3年前、亜大との決勝で試合を決める決勝打を放った茂木は「あの時は1年生で凄い先輩がいた。自分はがむしゃらにやっていただけだった」と振り返る。早大では在学中に2度の日本一を経験した代はないだけに「どんな形でも最後に1点勝って終わりたい」。今年は主軸として、チームを頂点に導く。

 ◆茂木 栄五郎(もぎ・えいごろう)1994年(平6)2月14日、東京都生まれの21歳。小金井南中では武蔵府中シニアに所属。桐蔭学園では1年秋からレギュラー。甲子園出場はなし。早大では1年春にリーグ戦デビューし、1年春、4年春にベストナイン。3年秋に首位打者。通算69試合で打率.322、8本塁打、48打点。1メートル71、75キロ。右投げ左打ち。

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