たった2球で同点…和田監督 大誤算呉昇桓に嘆き節「逃げ切るゲーム」

[ 2015年4月20日 05:30 ]

<神・巨>9回無死一塁、呉昇桓は橋本に同点とされる適時二塁打を打たれる

セ・リーグ 阪神3-5巨人

(4月19日 甲子園)
 阪神は19日の巨人戦で1点リードで迎えた9回に登板した呉昇桓(オ・スンファン)投手(32)が、わずか2球で同点に追い付かれる大誤算。延長11回には4番手の安藤優也投手(37)が2死満塁から小林に勝ち越しの2点適時打を浴びて6カードぶりの勝ち越しを逃した。今季甲子園最多46468人の大観衆の前で手痛い黒星。和田阪神がなかなか浮上のきっかけをつかめない。

 一瞬の静寂のあと、聖地に悲鳴とため息が充満した。同点で迎えた延長11回、4番手の安藤が2四球と単打で2死満塁のピンチを招くと、小林に外角へのスライダーを捉えられ、中前に勝ち越しの2点適時打を浴びた。

 「…」

 試合後、ベテラン右腕は報道陣の問いかけにも無言を貫き、クラブハウスへと消えた。ベンチ裏に広がる重苦しい空気。両軍、死力を尽くした激闘だっただけに、手痛い敗戦に選手たちの足取りはどれも重たかった。

 勝負の歯車が一瞬にして狂った。“悲劇”の始まりは9回だ。8回、2死二、三塁でマートンの放った二遊間へのゴロを処理した片岡の一塁送球ミスで、ラッキーな形で勝ち越し点が転がり込んできた。ここから切るカードは決まっている。1点を守るべく、呉昇桓がマウンドへ向かった。

 直後に訪れる結末を誰が予想できただろう。バトンを受け取った守護神はあっけなく“落とし穴”にはまってしまう。先頭の代打・高橋由に初球の148キロ直球を中前に運ばれると、続く橋本にも、1球目に投じた直球を捉えられ、打球は無情にも中堅・大和の頭上を越えた。転がるボールを拾い上げた瞬間には、一塁走者の代走・鈴木は、すでに三塁を大きく回っていた。

 「すべてが勝負球なので、打たれたことは仕方ない。点を取られてしまったので、言い訳はできない」

 あまりにもあっけない2球の同点劇。後続を断ち、延長10回も無失点に抑えたが、右腕は突きつけられた現実を真正面から受け止めつつ、顔を真っ赤にしながらの報道陣との受け答えには自身への怒り、悔しさがにじみ出ていた。

 勝敗が決した部分ではないものの、クローザーの今季初となる救援失敗がチームに与えるダメージは大きかった。和田監督も「スンファンで逃げ切るゲームだった。(2球で同点にされて)正直に放りすぎたかな。今日は9回で勝負を付けないといけないゲームだった」と信頼を寄せる男の乱調を悔いた。

 前日18日は4番・ゴメスが2打点、能見が今季初勝利と投打の軸が躍動し宿敵相手に競り勝った。上昇ムードに持ち込むはずの白星がスルリと逃げ、痛すぎる黒星。開幕3連戦を最後にカード勝ち越しから遠ざかり、借金も再び4に膨らんだ。浮上への“きっかけ”をつかむはずだった聖地での伝統の一戦は後味の悪いものになった。

 ≪今季初の救援失敗≫呉昇桓(神)は9回、高橋由と橋本の連続安打で1点のリードを追いつかれ、今季9度目の登板で初の救援失敗。昨季はセーブの付く場面での救援失敗が6度(4敗)あり、うち2度が巨人戦だった。甲子園での失点は昨季7月22日の巨人戦以来。1点リードの9回、高橋由の右中間ソロを浴びて追いつかれ、同点のまま降板している。

 ≪イニングまたぎも今季初≫イニングまたぎも今季初。2イニングは通算3度目でいずれも延長回突入による続投。昨年広島とのCSファーストS第2戦では3イニングの登板も経験している。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2015年4月20日のニュース