巨人・小林「無我夢中でした」V打 相川、阿部不在救った

[ 2015年4月20日 05:30 ]

<神・巨>熱戦を制した巨人ナインは小林(中央)らがハイタッチで勝利を祝う

セ・リーグ 巨人5-3阪神

(4月19日 甲子園)
 悔しさと意地をバットに乗せた。3―3の延長11回2死満塁。巨人・小林は安藤の外角低め132キロのスライダーに食らいつき、最後は左手一本で中前へ運び、決勝の2点適時打。はにかみながら両拳を突き上げた。

 「とにかく無我夢中でした。何とかヒットが出て良かったです」

 阿部の故障離脱により、1日の中日戦(ナゴヤドーム)以来の先発出場だった。直前の村田が敬遠され、ネクストバッターズサークルでの準備中。監督代行を務める川相ヘッドコーチから「ベースに近づいて思い切ってスイングしてこい」と耳打ちされた。助言通りに立ち「最初から外(角)しか狙っていなかった」と、3球続いた外角低めの変化球に対応。今季チーム最長4時間31分の熱戦に終止符を打った。

 2年目の今季。阿部の一塁コンバートにより、正捕手候補と期待され、3月27日のDeNAとの開幕戦(東京ドーム)でスタメンに名を連ねた。ところが、開幕2カード目で中日に3連敗を喫した上、相川が右大腿二頭筋の肉離れで離脱。相川からは「早く戻るからそれまで頼んだ」と託されたが、3日の阪神戦(東京ドーム)から阿部が再び捕手に復帰し、ベンチから戦況を見つめる日々が続いた。

 そんな中、努力だけは怠らなかった。ベンチから阿部のリードや振る舞いを観察して、ノートにペンを走らせた。テンポ良くリードするため、ブルペンでサイン出しや返球の練習に明け暮れた。そして再び巡ってきたチャンスで4投手を好リードし、勝利に導いた。

 チームは、3カード連続の勝ち越しで今季最多タイの貯金2。阿部の復帰にはしばらく時間がかかる。小林は「阿部さんがいなくなってチームがダメになったと言われないように頑張りたい」とプライドをのぞかせた。

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