石井一久氏がマー君の投球を分析 方向性は見えた、不安な点は…

[ 2015年4月20日 11:15 ]

<レイズ・ヤンキース>ジラルディ監督(背28)とタッチを交わす田中

ア・リーグ ヤンキース9―0レイズ

(4月18日 セントピーターズバーグ)
 ヤンキース・田中は初球ストライクの確率が上がり、常に投手有利のカウントで自分の投球ができた。フォーシームが増えたこともその要因だが、数が減ったツーシームにも変化が見られた。

 これまで平均球速は90マイル(約145キロ)前後だったが、3回2死でデヘススを見逃し三振に仕留めたのは93マイル(約150キロ)、4回1死でカブレラを同じく見逃し三振に打ち取った球も92マイル(約148キロ)。過去2戦よりもスピードが3~5キロ速かった。

 曲がりが大きいツーシームは打者にとっては打ちにくいが、その分、投手にとっても制御するのが難しい。この日は曲がりが小さく、鋭いツーシームで、フォーシームと同じような感覚の腕の振りで投げていた。

 ツーシームを投げる際に腕が振れると、いざフォーシームを投げる時もアクセルがかかりやすい。車でいうなら、常にアイドリングしている状態。田中の生命線である右打者の外角低めにしっかり角度のあるフォーシームがコントロールできていた。こうなると、緩いカーブも利いてくる。

 あえて不安な点を挙げるとすれば、スプリット。高めに浮くこともあり、スプリットというよりはオフスピードで打者のタイミングを外す球種となっていた。このあたりは修正すべきところ。右肘に不安を抱えてのシーズンで、田中もいろいろ試しながらやっていると思うが、今回の投球である程度の方向性は見えたのではないか。

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2015年4月20日のニュース