最後はエラー誘った!ヤク12回サヨナラ 両リーグ今季最長5時間20分

[ 2015年4月20日 05:30 ]

<ヤ・D>12回2死三塁、サヨナラ打の上田(下)はナインの手荒い祝福を受ける

セ・リーグ ヤクルト9-8DeNA

(4月20日 神宮)
 神宮球場の時計の針は午後11時20分を指していた。8―8の延長12回2死三塁。ヤクルト・上田の打球は三塁手・飛雄馬の前へ。打球を前にこぼして一塁へ送球したが、俊足の上田の足が勝った。両リーグ今季最長5時間20分の熱戦は、適時失策という思わぬ形で決着がついた。

 「エラーだけど僕、ヒーローですか?スタンドから“早く終われ”という雰囲気があって、何とかしたかった」

 歓喜の輪の中心にいた上田は、戸惑い気味に喜びを爆発させたが、まぎれもないヒーローだ。5―3の6回守備から途中出場。一度は試合をひっくり返されたが、2点を追う8回2死二、三塁で、左腕・林の直球を中前へ運ぶ同点2点適時打で試合を振り出しに戻した。

 今季の出場15試合は全て途中出場ながら、4日のDeNA戦(横浜)でも決勝打を放つなど勝負強さが光る。「途中出場でも仕事はある。チームに貢献して少しずつアピールして、レギュラーを獲るという気持ち」と表情を引き締めた上田に、真中監督は「なかなか出番がないが、出たところで仕事をしてくれる。頼りにしています」と最大級の賛辞を贈った。

 好調だった救援陣が打たれても、チーム一丸となって今季2度目のサヨナラ勝ちをつかみ取り、延長戦は4戦全勝。連勝を今季最長の4に伸ばして首位を守り、貯金5は3年ぶりとなった。

 クラブハウスに戻った指揮官を待っていたのは、今季初めて観戦に訪れた愛娘・麻恵ちゃん(8)が眠い目をこすって待っている姿だった。「今季は投手に助けられてきたが、助け合い。チームがまとまる良い試合だった。しんどかった。あー、疲れたね」。そう口にしながらも、表情には笑みがこぼれた。激戦の疲れは、「白星」が吹き飛ばしてくれた。

 ▼ヤクルト・川端(2―3の5回2死一、三塁から一時逆転の1号3ラン)いい角度がついてくれたし手応えもよかった。完璧だった。

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