中日ドラ2左腕号泣…広島ドラ1野間 史上初!プロ初打者で一発見舞った

[ 2015年4月20日 05:33 ]

<広・中>12球団新人一番乗りだ!8回、野間が右越えに待望のプロ1号を放つ

セ・リーグ 広島5-0中日

(4月20日 マツダ)
 降りしきる雨の中、低く、鋭い打球が右翼席へと伸びていった。8回1死。広島のドラフト1位ルーキー・野間が、記念すべきプロ初アーチを放った。12球団の新人で一番乗りの一発。「フェンス直撃かと思ったけど入っちゃった。仲のいい(鈴木)誠也も(本塁打を)打ったので抱き合って喜びました」と、ちゃめっ気たっぷりに話した。

 実は相手は「カモ」だった。打たれた中日・浜田智も新人で、この日がプロ初登板。最初の打者が野間だった。そして本塁打。新人VS新人、いきなり最初の打者にプロ1号被弾――と、史上初の珍しいケースとなった。「緊張した。全部駄目だった」と浜田智は降板後に号泣。6回から代走で出場し、一振りで泣かせてしまった野間は「左投手は苦手じゃない。神宮で対戦した時から気にならなかった」と胸を張った。

 昨年11月14日には、野間を擁する中部学院大と、浜田智の九産大が神宮大会1回戦で対戦。野間は変則左腕から3安打を放った。3月24日の2軍戦でも安打と、この日の一発で計5打数5安打。「2軍ではスライダーばかりだった。変化球待ちで、直球にうまく反応できた」と振り返った。

 2月21日の巨人とのオープン戦でも、12球団の「新人1号」を放っている。「うれしかった」と笑顔をのぞかせたが、内に秘めたハングリー精神は誰にも負けない。両親は自身が小学校1年生の時に離婚。母・しのぶさん(50)が女手ひとつで育ててくれた。高校、大学で野球を続けたが、姉と弟がアルバイトをして用具や合宿費を捻出してくれたという。口癖は「家族に恩返しがしたい」。野球でも懸命なプレーを貫く。チームは依然最下位だが若鯉のバットが希望の光となる。

 ≪投手、打者ともに新人は史上初≫デビュー戦の浜田智(中)が対戦1人目の野間(広)にプロ1号を打たれた。プロ初登板で第1打者に被本塁打は、昨年9月10日DeNA戦の杉浦(ヤ=打者梶谷)以来66人目(チーム9人目)。うち、その被本塁打が、打者のプロ1号だったケースは46年ぶり4度目で、投手、野手ともに新人は今回が初めてだ。

 ◆野間 峻祥(のま・たかよし)1993年(平5)1月28日、兵庫県生まれの22歳。村野工3年夏は兵庫大会4回戦で市川に敗れるなど甲子園出場なし。岐阜県リーグの中部学院大4年秋に首位打者に輝いたほか、最多盗塁のタイトルも2度獲得した。明治神宮大会は2度出場。50メートル5秒8、遠投は110メートル。1メートル80、80キロ。右投げ左打ち。

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