梵 来季全試合遊撃だ!三塁経験「生かし」居場所取り戻す

[ 2014年12月5日 05:30 ]

総会を終えひきあげる梵

 広島・梵英心内野手(34)が4日、大阪市内のホテルで一般社団法人・日本プロ野球選手会の総会に出席。来季はシーズン全143試合に遊撃手として出場する目標を掲げた。今季は両膝痛の影響もあり、8月以降は三塁スタメンが主だったが、長く慣れ親しんだポジションへの愛着は深い。すでにベテランの域に入りつつある選手会長がもう一度、自らの原点で勝負する。

 愛着とプライドがある。例年、シーズンの最大目標に「全試合出場」を掲げてきた梵。来季は、そこに「遊撃手として」という言葉が加わった。

 「監督が決めることですが、サードより、ショートの方にこだわりはあります」

 10年に遊撃手としてゴールデングラブ賞を獲得。名手と呼ばれる男が、自らの原点でもあるポジションを奪回する。

 梵にとっては困難なシーズンだった。今季は両膝痛の影響などで前半戦は調子が上がらず、5月11日中日戦(マツダ)で9年目で初の三塁守備を経験。8月以降は新人の田中らに遊撃の定位置を譲り、三塁でのスタメン出場が主となった。首脳陣に膝の状態を考慮された形だったが“コンバート”で選手会長の闘争心に火が付いた。

 「膝の負担はショートもサードもそんなに変わらなかった。どのポジションでも難しいし、野球は難しいと実感した1年でした」

 体の負担、難易度は同じ。ならば、長く慣れ親しんだ守備位置の方が打撃面を含め、自らの力を最大限に発揮できる。緒方新監督には来春キャンプ、オープン戦で“万全”をアピールし、居場所を取り戻す覚悟だ。

 今季は最終的に、出場試合の半数以上となる63試合で三塁の守備に就いた。「経験できたことは良かった。もし、サードをやれと言われれば、その経験を生かすことができる」と前向きにとらえる。だが、仮に三塁に回ったとしても、定位置は安泰ではない。三塁での全試合出場を目標に掲げる堂林。阪神から8年ぶりに古巣復帰する新井など、ライバルは多い。

 「気にかけてもらった先輩。でも、それはそれ。こういう世界だから仕方ない」

 遊撃、三塁を問わず、まずは居場所を確保することが先決。同じ駒大出身で入団以来、目をかけてもらってきた新井をも乗り越えていく。

 来季は選手会長として2年目を迎える。「いろんな勉強ができた。でもまだまだ、やらないといけないことは多い」。梵はチーム全体に目配せしながら、自らの目標に向け、まい進する。

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2014年12月5日のニュース