青木 悔し涙「現実受け止められない」5回好機も好守に阻まれ

[ 2014年10月31日 05:30 ]

ジャイアンツに敗れ、ベルト(9)と抱き合って喜ぶバムガーナーをベンチから見詰めるロイヤルズの青木(左端)

 ワールドシリーズは29日(日本時間30日)、第7戦が行われ、ジャイアンツが3―2でロイヤルズを下し、2年ぶり8度目の優勝を飾った。ロ軍は1985年以来、29年ぶりの世界一にあと一歩届かず、3打数無安打に終わった青木宣親外野手(32)は試合後に悔し涙を流した。MVPには5回から5イニングを無失点に抑え、今シリーズ2勝1セーブを挙げたジ軍のマディソン・バムガーナー投手(25)が選ばれた。

【試合結果】

 こみ上げる悔しさが、あふれ出た。懸命に言葉をつなぎ、10分ほどシリーズを振り返った後だ。「この大舞台に立つことができて、気持ちが野球に対して真っすぐに向き合えるようになったというか…」。そう話したところで、青木はこらえ切れずに背を向けた。大粒の涙を拭いながらシャワー室へと下がり、会見を一時中断した。

 夢にまで見たワールドシリーズ。世界一まで、あと1勝だった。「本当に手の届く距離まで来ていた。悔しい。まだ現実を受け止められないでいる」。歓喜に沸くジ軍ナインをぼう然とした表情で見つめた。

 紙一重の差が明暗を分けた。1点を追う5回1死二塁。マウンドには、過去通算16打数無安打のバムガーナーがいた。4球目の外角スライダーを流し打ったが、鋭いライナー性の当たりを、ライン寄りに守備位置を変えていた左翼手ペレスがランニングキャッチ。「狙ったボールだったし、ある程度イメージ通りだったが、野球だから仕方ない」と唇をかんだ。

 今シリーズは結局、14打数1安打。青木は一切口にしなかったが、実は体調不良との闘いも強いられていた。レギュラーシーズンからの過密日程と疲労の影響で、サンフランシスコ遠征中に風邪を発症。第3~5戦には守備重視の布陣のためスタメン落ちしたが、39度の熱を出しながら、出番に備えていた。

 「喉が痛くて食べ物が通らなかった」と青木。佐知夫人が作ったおかゆで栄養補給し、夜には愛妻に背中をさすってもらってようやく寝付けた。先発復帰して適時打を放った前夜の第6戦も、6回からベンチに下がった直後に医務室へ直行。点滴を受けるほどだった。

 レギュラーシーズンの打率・285、1本塁打、43打点は「全然満足のいく数字ではない」。一方で、オールスター以降に打率・317、9月には・379と調子を上げ「チームが一番苦しいときに結果を残せたので、そこは満足しています」と語った。

 今後はFAとなり、残留するかは流動的だが、メジャー3年目で確かな足跡を刻んだ。「しびれる状況で野球をやれるというのが、凄くうれしかった。またこの場所に立ってプレーしたい」。最高の舞台で味わった興奮と悔しさを胸に、来季を見据えた。 

 ≪日本選手初第7戦先発≫日本選手がワールドシリーズ第7戦に出場するのは02年ジャイアンツの新庄以来、2人目。新庄は代打出場だったため青木が初のスタメン出場となった。ワイルドカード同士でシリーズを戦うのも02年以来2度目だったが、同年は2勝3敗で本拠地に戻ったエンゼルスが連勝して世界一となった。

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