メッセ 無情の134球目「すべてを出し切って、ベスト尽くした」

[ 2014年10月31日 05:30 ]

<ソ・神>8回2死一、三塁、松田に適時打を浴びる阪神・メッセンジャー

日本シリーズ第5戦 阪神0-1ソフトバンク

(10月30日 ヤフオクD)
 134球目に投じた渾身の直球が、無情にもセンターへはじき返された。崖っぷちの猛虎をその右腕で引っ張ってきたメッセンジャーが力尽きた瞬間だった。両軍無得点で迎えた8回2死一、三塁。松田に均衡を破られる適時打を浴びた。

 「1点は取られたくなかったけど、仕事はできた。すべてを出し切って、ベストを尽くした」

 王手をかけられて迎えた敵地のマウンド。初回は先頭の柳田にファウルで再三粘られながら、11球目に投じた内角への151キロで見逃し三振。後続も打ち取って3者凡退に斬ると、波に乗った。

 3回、2死二、三塁のピンチでは明石の中堅へのライナーを大和がダイビングキャッチし、6回も同じく2死二、三塁で中村の放ったセンターへの大飛球を好捕。味方の好守に燃え、7回まできれいにゼロを並べた。

 恒例の“儀式”も大満足で終えていた。来日1年目から登板前日に大好物のラーメン必ず食べるのが験担ぎになっている。今回は博多豚骨ラーメンの名店「一幸舎」に足を運んで、ラーメン2杯と餃子をたいらげ、万全の準備を整えた。

 「日本一の称号を持って帰りたかったけどね。負けるためにやっていないし、来年も勝つことを考えたい」

 この屈辱がまた右腕を強くするに違いない。不屈の背番号54は、またこの舞台に帰ってくる。

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2014年10月31日のニュース