マートン「顔」でもぎ取ったセーフ“前歴”で捕手びびらせた!?

[ 2014年9月3日 05:30 ]

<神・De>9回1死満塁、今成の左前適時打で二塁走者・マートンがサヨナラのホームイン

セ・リーグ 阪神4-3DeNA

(9月2日 甲子園)
 1点を追う9回1死満塁。ここまで3三振の阪神・今成が打席に向かう前、和田監督が耳打ちした。「あまり熱くなりすぎるな。ヘッドが下がり気味で出ているから、直球一本(狙い)で最短距離でバットをぶつけろ」。神のささやき。すべての迷いが消し飛んだ。DeNA・三上の4球目の速球を鋭く左前へ。劇的な逆転サヨナラ打となり「最高。サヨナラ打は初めて。頭が真っ白になった」と、お立ち台でも興奮は収まらなかった。

 9回1死からゴメスが安打を放ち、マートンは左翼線に二塁打。福留は勝負を避けられて塁が埋まった。「絶対自分で決めてやる」と今成。この日、日本ハム在籍時に「師」と仰いだ稲葉が今季限りでの引退を表明した。「よく食事に連れて行ってもらったし、打撃も教えていただいた。同じ左打者ですし、本当に見習うことが多かった」と、感謝の思いをバットに込めた。

 もう一人のヒーローがマートンだ。今成のライナー性の打球に、一度は二塁に帰塁しかけたが、ギアを入れ替えて本塁へ突っ込む。捕手・黒羽根のタッチよりも素早くスライディングで左足を滑り込ませた。タイミング的にはアウトにも思われたが、「顔」でもぎ取ったセーフ。マートンは昨年5月12日のヤクルト戦(松山)でタックルで本塁に突入し、田中雅を左鎖骨骨折させた。さらに9月14日の同戦(神宮)でも本塁上で相川に猛タックル。相川ともみ合いになり、退場処分を受けた。この「前歴」に無意識に恐怖心を抱いた黒羽根のタッチが甘くなったのか。「チームとして大きな1勝」と満足げに振り返った。

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2014年9月3日のニュース