ロサリオ孤軍奮闘サイクル「野球人生で初めて」

[ 2014年9月3日 05:30 ]

<巨・広>8回無死、ロサリオが三塁内野安打を放ち、サイクル安打を達成

セ・リーグ 広島4-9巨人

(9月2日 長野)
 広島のライネル・ロサリオ外野手(25)が2日、巨人戦(長野)で快挙を成し遂げた。初回、来日初の9号先頭打者弾を皮切りに、適時三塁打、二塁打、内野安打と打ちまくり、08年の巨人・小笠原以来6年ぶり63人目のサイクル安打達成だ。だが、助っ人の奮闘も実らず、首位攻防初戦は4―9で敗れ、巨人とのゲーム差は2。エース・前田健が先発する、3日の第2戦(前橋)は絶対に負けられない。

 試合後のテレビインタビュー。快挙を達成したロサリオは、チームが首位攻防初戦に敗れた重い空気を感じ取っていた。時折白い歯をのぞかせながらも、心の底からの笑顔は見せなかった。

 「サイクル安打は、私の野球人生で初めて。とても嬉しいよ。ただ、記録のことはあまり考えなかった。いいゲームをしようと思っていた」

 「1番・左翼」で2試合ぶりに先発出場し、初回、巨人・杉内にいきなり先制パンチを見舞った。フルカウントから甘く入った141キロ直球。放物線を描いた打球は中堅122メートルと広い、長野オリンピック球場のバックスクリーン左へ着弾した。

 「しっかりと振り抜けた。少し上がり過ぎたかなと思ったけど、いい風が吹いていたね」

 8月17日の巨人戦(マツダ)以来、実に13試合ぶりの9号は来日初の先頭打者アーチ。これで乗った。2点を追う2回2死二塁の第2打席。杉内のチェンジアップを左翼フェンス直撃の適時三塁打とすると、2―6の6回1死一塁では右翼フェンス直撃の二塁打だ。

 快挙に王手を懸けたベンチでは、天谷がアドバイスを送る。「集中し、シングルを狙ってセンター返しを心掛けろ…と言われた」。8回、注目を集めた第5打席は山口の外角スライダーを引っ掛け、ボテボテの三ゴロ。だが、幸運にもこれが内野安打となった。

 「8回はこれが最後の打席になると思ったので全力で走り抜けたよ」

 08年9月3日の巨人・小笠原以来6年ぶり63人目、広島では99年4月24日の金本以来、15年ぶり6人目の快挙達成。だが助っ人の奮闘も実らず、チームは1差で追う巨人との首位攻防初戦に敗れた。野村監督は「サイクル安打を達成したのはすごいこと。これでこれで乗ってくれれば」と称えた。

 エルドレッド、キラが不振のため相次いで2軍降格となる中、ロサリオも最近5試合は打率・118と低迷していた。その中で生まれた快挙。2差となった首位攻防第2戦、3日こそ豪打を勝利に結びつける。

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2014年9月3日のニュース