岸 完封指令で完封 伊原監督「お願い」覚えてなかったけど…

[ 2014年5月18日 05:30 ]

<楽・西>完封で4勝目を挙げた岸

パ・リーグ 西武7-0楽天

(5月17日 秋田)
 秋田の風が最後までマウンドを守った西武・岸の頬を優しくなでた。4安打無四球の完封劇。チームの連敗を4で止める4勝目を挙げ「とりあえず勝ててよかった。チームが勝って自分の勝ちもついたのは最高の形ですね」と笑顔を見せた。

 「きょうは風がいい感じだった」。124球の熱投もどこ吹く風と言いたげだった。右翼から左翼方向へ吹いた風速6~7メートルの強い風。変化球の制球など投球に最も影響を与えるが、逆に操った。「カーブとチェンジアップがよく変化した」。いずれも無死一塁だった3回の嶋の二ゴロ併殺、8回の松井稼の遊ゴロ併殺はチェンジアップ。風でブレーキを利かせた。

 4回1死一、三塁で4番ジョーンズを迎えた最大の危機は、外角いっぱいの142キロ直球で遊ゴロ併殺に仕留めた。「感覚ではイマイチな感じ。コントロールだけ気をつけようと思った」という直球を要所で最高のコースへ投じた。2日のロッテ戦(QVCマリン)では、追い風を生かし、直球を軸に自身初のノーヒットノーランを達成。気象条件も味方につけ、最悪のミスを避ける。勝てる投手の投球だった。

 お願いも右から左へ受け流していた。数日前、伊原監督から「次は完封でお願いします」と頼まれた。試合後、指揮官は「その通りになってくれましたね」と称えたが、岸は「すみません。覚えていません」と舌をペロリ。何はともあれ、結果的に約束を果たした。

 宮城出身の岸がノーヒッターとして初めて東北へ凱旋。人生初の秋田のマウンドで節目のプロ通算80勝目を挙げた。「本当ですか?でも100勝になったら言ってください」。まずは最下位の状況から抜け出す。エースが沈みがちのチームの「風向き」をしっかりと変えた。

 ▼楽天・藤田 高低、左右のコースに決められた。調子も良さそうだった。

 ▼楽天・田代打撃コーチ ボールに切れや力もあった。

 ▼西武・浅村(4安打3打点で今季最多14安打の打線をけん引)うれしいよりホッとした。(1打席目に)1本出て気持ちが楽になった。

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2014年5月18日のニュース