虎のドクターKや!育成の伊藤和 3戦計5回13K

[ 2014年3月11日 06:13 ]

<巨・神>この日は背番号19で好投した伊藤和

オープン戦 阪神6―7巨人

(3月10日 伊勢)
 チーム全員が「初代巨人キラー」として活躍した西村幸生氏の背番号「19」を付けて戦った特別な一戦。育成契約の阪神・伊藤和は、伝説のOBの魂が乗り移ったかのように快投を披露した。連日のG斬りだが、前日以上に痛快さがあった。

 「昨日(9日)より落ち着いていけました。先頭(打者)を切ろうと思っていて、しっかり切れたので良かった」

 自慢の直球がうなりを上げた。6回、先頭の大田を直球で空振り三振。藤村には右前打を浴びたものの、橋本を落差のあるチェンジアップで空を切らせると、最後は河野を伸びのある139キロ直球で連続三振に仕留めた。

 「(直球は)昨日投げて手応えがあった。自信を持っていけました」。直球でおもしろいように空振りを取り、3つのアウトはすべて三振。“虎のドクターK”の勢いは止まらない。

 和田監督が初めて視察した5日の教育リーグ・ソフトバンク戦で2回5奪三振をマークして1軍昇格を果たすと、前日9日の巨人戦でも2回5奪三振。この日も合わせ、指揮官の前で3試合、計5イニング13奪三振のパフォーマンスは、もう“フロック”でないことは明らかだ。

 指揮官は赤丸急上昇中の右腕に「まっすぐで空振りを取れるしおもしろい」と目を細め、中西投手コーチも「中継ぎで十分通用する。チャンスは増える」と1軍で計算できる戦力と認めた。開幕までにフロント陣と現場が話し合って支配下登録を検討することになっているが、着実に前進していることは間違いない。

 「これからも結果を残してアピールしたい」。伝統の一戦で力を見せつけるのが、何とも頼もしい。和田阪神の秘密兵器になる可能性は十分だ。

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2014年3月11日のニュース