震災直後は避難所「野球部の子供たちをはじめお世話になった」

[ 2014年3月11日 05:30 ]

避難所の「卒業証書」を手にする鈴木さん

東陵(宮城)21日開幕センバツ初出場

 震災直後、東陵高校の武道館は避難所になっていた。鹿折まちづくり協議会の鈴木博会長(75)は3月13日から4月16日までの約1カ月間、約150人の被災者たちとともに同校で過ごした。

 「野球部の子供たちをはじめ、他の生徒も荷物を運んでくれたり、トイレ用の水をプールからくんできてくれたり、とにかくお世話になった」と感謝する。避難所の「卒業証書」は、今も大事に自宅に飾ってある。

 同校と同じ鹿折地区にある自宅は、1階部分が浸水。「家の裏にある川を逆流して津波が来た。すぐに2階に上がって布団にくるまったが、何十回という余震が続いていた」と振り返る。そして、12年10月に同協議会の会長に就任。各地区の防潮堤を視察し、地域住民の声を聞いて回り、気仙沼市などに町の意見書を提出する役割も担う。

 鈴木さんは特別な思いを胸にセンバツを待つ。「私の息子は東陵高校のサッカー部だった。甲子園では勝ち負けは別にして、全力を尽くして戦ってほしい」とエールを送った。

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2014年3月11日のニュース