和田監督 初勝利目前の秋山を非情交代「いろんな意味で吹っ切れた」

[ 2013年10月4日 06:00 ]

<D・神>5回1死一塁、ブランコ(奥)に2ランを浴び、今季初勝利目前で降板となった秋山

セ・リーグ 阪神7-3DeNA

(10月3日 横浜)
 CSファーストSの甲子園開催へ向け、何としても勝たねばならない。そんな悲壮感にも似た思いが、阪神・和田監督のタクトから伝わった。5回1死、秋山がブランコに追撃の2ランを食らうと、2点リードにもかかわらず、2番手筒井にスイッチ。今季初勝利まであと2死だったが、一切の私情を挟まなかった。

 「3回ずつつないでいく、それぐらいの気持ちだったから。よく引っ張った方じゃないかな」

 先発8試合目でようやく、秋山に訪れたチャンス。本人はおろか、指揮官も今季初白星をつけたかったに違いない。「それもあったけど…」。筒井の後を受け、6回からは久保、7回は加藤が3人でピシャリ。4点リードした9回も守護神・福原を投入した。その時点で広島は敗れており、試合中に2位は確定。それでも、目の前の1勝、自力での2位進出にこだわったのだった。

 「9月に入ってかなりもたついてしまった。非常に不甲斐(がい)ない1カ月だった。その中でファンに心配をかけたと思うけど、これで集中して次へ進める。いろんな意味で吹っ切れたと思う」

 大失速に終わった9月戦線に反省の弁を並べ、2位決定にも安堵(あんど)の表情を浮かべることはなかった。無理もない。今季最多の貯金17だった8月25日の時点では、3位広島に13ゲームもの大差をつけていた。それが、じわりじわりと追い上げられ、前夜には2・5差まで接近。ここ数週間は2位とは思えない、何とも言えない重苦しい雰囲気がチームを包んでいた。

 「もう一度、チームを立て直してね。苦しんだけど、緊張感を持った中で試合ができた経験を生かしていきたい」

 和田監督は最後にそう言って、前を向いた。予期せぬ大失速を“生みの苦しみ”と言えるかどうかは、CSでの戦いぶり次第。どん底からはい上がる強さを、虎党は待っている。

 ▼阪神・中西投手コーチ(秋山について)自分のバントミスの後に点を取られていた。ミスの後に、切り替えられていない。ボールは良かっただけに、もったいなかった。

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2013年10月4日のニュース