マエケン “不敵”G斬り「それなら止めようかなって感じ」

[ 2013年7月26日 06:00 ]

<巨・広>2回無死二、三塁、ルイスの適時二塁打で生還する二走・前田健

セ・リーグ 広島11-2巨人

(7月25日 東京D)
 エースが東京ドームの呪縛を解いた。広島の前田健太投手(25)が25日、巨人戦で7回4安打2失点と好投し、8勝目をマーク。バットでも、2回に自ら右中間へ2点適時二塁打を放ち、一挙8得点のビッグイニングを演出した。投打にわたる活躍で、チームの連敗を3で、昨季から続いていた、東京ドームでの連敗を14でストップした。

 相性の悪さがモチベーションとなった。昨年5月2日以来、チームは東京ドームで14連敗中。もっとも、前田健自身は3月31日の1試合に登板しただけで、その試合も8回1失点と好投しながら救援が打たれてサヨナラ負けした。「逆にそこまで悪いなら、割り切れるというか…。それなら止めようかなって感じ」。エースは不敵だった。

 初回を3者凡退で滑り出すと、2回の攻撃でまずはバットで自らを助けた。松山、石原の適時打で2点を先行し、なおも無死満塁。「投手なので、追い込まれると打てなくなる」。宮国の初球を狙った。PL学園時代には高校通算27本塁打をマークしている打撃センスで、外角高めの直球を右中間へ2点適時二塁打。この回、一挙8点となる攻撃の一翼を担った。

 十分すぎる大量リード。4回2死一、二塁では高橋由から空振り三振を奪った。スライダー、カーブ、チェンジアップをストライクゾーンからボールゾーンに曲げて、バットを3度振らせた。多彩な変化球を駆使する投球術を存分に発揮した。

 後半戦初先発は異例の調整法で臨んだ。通常は登板2日前にブルペンで投球練習するが、今回は球宴第3戦(いわき)の翌23日が投球日だった。エースはチームと離れており、練習場所の確保が困難だったため、投球練習を回避。先発した19日の球宴第1戦(札幌ドーム)からノースローで調整した。

 「移動もあったし、体の切れはなかったかもしれない。でも投げる方は狙ったところにいかないとか、変化球がダメとかはなかった」。失点はボウカーの一発による2点だけ。警戒していた坂本、阿部、村田の中軸も単打のみと大きな仕事をさせなかった。「一つ勝ったことで、次に来るときに今までの分をやり返す戦いができると思う」。前田健にとっても東京ドームでは10年8月以来、3年ぶりの白星。貫禄たっぷりの投球を見せた背番号18に、野村監督も「よくやってくれた」とねぎらった。

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