横浜 渡辺監督「打倒・松井に明け暮れた全員の勝利」

[ 2013年7月26日 06:00 ]

桐光学園に勝利し、歓喜の横浜ナイン

神奈川大会準々決勝 横浜3―2桐光学園

(7月25日 横浜)
  試合終了の瞬間、殊勲の浅間は声にならない雄叫びを上げた。横浜が「3度目の正直」で松井を倒した。最初に敗れた昨年7月25日の神奈川大会準々決勝からちょうど1年後のリベンジ。春の県大会4回戦でも零敗を喫していた渡辺元智監督はゆっくりと口を開いた。

 「40数年監督をやって数少ない重圧のかかる試合でした。平成の怪物と言われた松坂(大輔)に匹敵する投手。これまで打倒・松井に明け暮れてきた全員の勝利です」

 勝ち越された直後の7回1死一塁。浅間は初球、内角高めの144キロ直球をフルスイングし、右翼席に運んだ。「速球だけを狙っていた。感触はあった」と話す裏には、綿密な対策があった。

 「球威が落ちた終盤勝負」――。小倉清一郎コーチが春から松井の登板試合全てをチェックし、そう結論付けた。その上でスライダーを捨て、直球狙いを徹底。打撃マシンを5メートル前に出し、低めに沈む縦のスライダーを見逃す練習を繰り返すとともに、直球はコースを高めに設定、上から叩く意識を徹底した。「低めを見極められれば球数も増える」(渡辺監督)との考えだ。逆転弾は松井の109球目だった。

 そしてこの場面、一塁走者の根本は通常より半歩リードを広げていた。事前の情報で「速いけん制はない」(渡辺監督)ことを確認していた。警戒すれば、速球系が増える。思惑は当たった。

 4回にもロッテ・高浜の弟で4番の祐仁(ゆうと)がチェンジアップを捉え、バックスクリーンへ一時同点のソロ。1年生からレギュラーだった2年生の浅間と高浜はアベックアーチで雪辱を果たし「3度も負けられないとの思いが打たせてくれた」と口をそろえた。

 先発9人中8人が2年生と若いメンバーだが、松井を撃破して完全に勢いに乗った。「目標は甲子園。彼ら(桐光学園)の思いも背負う。気を緩める選手はいない」。渡辺監督はナインを信頼している。 

 ▼横浜・伊藤(9回9安打2失点、152球の完投で勝利)最初は緊張もあって力んだが、渡辺監督から「ためをつくって楽にいけ」と言われ、開き直れた。やっとエースの仕事ができたと思う。

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2013年7月26日のニュース