ライアン小川 心の支えはスラムダンク「自分のできることをやる」

[ 2013年4月11日 07:19 ]

<中・ヤ>ヤクルト・小川は7回を1失点に抑え2勝目

セ・リーグ ヤクルト4―2中日

(4月10日 ナゴヤD)
 ヤクルトのドラフト2位ルーキー・小川泰弘投手(22)が10日、中日戦に先発し、6回1死まで無安打の快投。新人では球団初の初登板から2戦2勝を飾った。

 創価大3年の夏にノーラン・ライアンの著書「ピッチャーズ・バイブル」を参考に現在のフォームへの修正を試みる中、心の支えとなるもう一冊の本に出合った。それが、人気漫画「スラムダンク」を題材にスポーツ心理学で分析した「スラムダンク勝利学」(辻秀一著)だ。

 その中にあったキーワードの一つが「冷静さ」。マウンド上ではもちろん、普段の会話の中でも感情的になりそうな場面で冷静な心を保つように取り組んだ。だから、ピンチでも動じない。「諦めたらそこで試合終了ですよ」。同漫画に登場する安西監督の名セリフのように、勝利だけを信じて腕を振った。

 開幕投手を務めた館山が右肘手術のため今季絶望となる中、救世主のごとくチームの勝ち頭となった。荒木投手コーチは「投ゴロをはじいた時くらいは慌ててほしいよ」と苦笑いも、「彼のいいところは制球もそうだけど、気持ちが前向きなところ」と説明。小川監督も「マウンドさばきとか投手としての資質は素晴らしい」と絶賛した。

 「自分のできることをやる」。試合後はスラムダンクの主人公・桜木花道のセリフで締めくくった。セ・リーグの新人では巨人・菅野や阪神・藤浪に注目が集まる中、アマ時代は中央球界で無名だった「ライアン小川」が新人王レースの主役となる。

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