中田 攻守に「完璧」 トップタイ3号&こだわりのワンバン返球

[ 2013年4月11日 06:00 ]

<日・楽>4回2死一、二塁、松井稼の左前打を捕った中田が本塁に好返球

パ・リーグ 日本ハム6―0楽天

(4月10日 東京D)
 日本ハムの中田はお立ち台で2度繰り返した。

 「完璧です!」

 それだけの手応えと感触が両手に残っていた。

 初回の第1打席はチェンジアップに空振り三振。3回の第2打席、狙い球を変化球に絞ったが、初球スライダーにバットは止まった。「自分のタイミングに合わなかったから」。昨季まで狙った球種ならボール球でもバットが止まらなかった。だが、左足を大きく上げたフォームでも今年は上体が突っ込まなくなった。残っているからギリギリまで球の見極めができる。続く130キロは1球目より甘く入ってきたスライダー。打球は左翼席中段に弾丸ライナーで突き刺さった。3本塁打はロッテのホワイトセルに並ぶリーグトップタイ。4勝目のチームで3本とも勝ち試合に出ていることを、4番は喜んだ。

 打つだけではない。本塁打を放った直後の守備。4回2死一、二塁で松井の左前打に猛チャージすると、ワンバウンドのストライク返球で今季初補殺を記録した。直前の3回に中堅の陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)がレーザービームを見せていた。昨季球団タイ記録の19補殺で2年連続補殺王に輝いた中田は「ダイさん(陽岱鋼)がいいボールを投げていたので補殺王として負けられないので」。今季は他球団も警戒。中田への打球で二塁走者が本塁突入を自重するケースが多くなったが「そうやって他球団に評価してもらえるのはうれしい。補殺が減って残念やけどね」といたずらっ子のように笑った。

 大阪桐蔭で投手も務めた強肩だが外野からの返球はワンバウンドを心掛ける。「だってその方が捕手が捕りやすいでしょ」。どこでワンバウンドさせればタッチがしやすいのか。球場ごとに微妙に違う弾み具合を試合前練習で確認。昨季まで清水外野守備走塁コーチ(現ロッテ)と徹底して練習してきた成果は体に染みこんでいる。

 「きょうの勝ちは本当に大きい。これで乗っていければいい。もっともっと打ちたい」。打って守って。連覇を狙うチームの中心にいるのは今年も中田だ。

 ▼日本ハム・栗山監督(連敗を免れ)翔とダイカンのああいう守備は大きい。何が何でも勝たなくてはいけない試合で、大きな流れを持ってきてくれた。

 ▼楽天・鈴木内野守備走塁コーチ(4回の中田の好返球について)レフトの正面への打球なら(二塁走者を)止めていた。レフトからの返球は、走者の背中が見えるから難しい。それでストライクだから。

 ≪自己最速ペース≫中田(日)が3回に3号ソロ。チーム10試合目での3号は11年の20試合目を大幅に更新する自己最速ペースになった。これでホワイトセル(ロ)と並びパの本塁打王争いのトップタイ。中田がシーズン途中に本塁打王争いのトップに立つのはプロ入り初めてだ。4回には左翼から本塁への送球で走者を刺し、今季初の補殺をマーク。中田は11年11補殺、昨季19補殺とパで2年連続外野手最多補殺を記録。3年連続ならプロ野球新記録となるが、11年のシーズン初補殺はチーム13試合目で、昨季は22試合目。守備面でも好スタートを切った。

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