武田勝 10K報われず…1球に泣いた6回1失点

[ 2012年10月29日 06:00 ]

<巨・日>初回無死、長野(手前)に先制のソロ本塁打を浴びた日本ハム・武田勝

日本シリーズ第2戦 日本ハム0―1巨人

(10月28日 東京D)
 日本ハム・武田勝は1球に泣いた。6回91球を投げ、被安打4で、失点は長野の先頭打者本塁打による1点だけ。「うまく打たれた。悔いはない」とサバサバと振り返った。

 持ち味は存分に出した。7月3日のオリックス戦(京セラドーム)以来となる大野とのバッテリー。「自分のリズムで楽しんで投げられたと思う」と、絶妙な制球力でコーナーに投げ分け、左打者には内角を徹底的に突いた。前日、速球派の吉川を攻略した巨人打線を翻ろう。6回には先頭の沢村に二塁打を浴びたが、長野、寺内、坂本を3者連続三振。毎回の10奪三振を奪う力投を見せた。打線の援護に恵まれず、シリーズ史上3人目の2桁奪三振での敗戦投手となったが、栗山監督は「相手に勢いがある中でよく投げてくれた」と評価した。

 日本シリーズはこれで自身4連敗。06年以来の勝利はならなかったが、巨人打線の勢いは止めた。「次も登板があると思うのでいいイメージでいけると思う。しっかり準備したい」と話して帰路に就いた武田勝。チームの逆襲を信じて、出番を待つ。

 ▼日本ハム・大野(武田勝とのバッテリーについて)せっかくなので2人で楽しくできればと思って、その通りにできた。攻めないと抑えられない打者が多いので、細かいことを気にしないで思い切っていった。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ(武田勝の10奪三振について)バッテリーの作戦がはまった。勝も首を振っていたからしっかり考えていただろうし、大野も考えてリードしてくれた。よく頑張ったと思う。

 ≪3人目の悲運≫武田勝(日)が10三振を奪いながら敗戦投手。日本シリーズの2桁奪三振は昨年第1戦のチェン(中)以来16人目、18度目。うち、敗戦投手は92年第7戦の岡林(ヤ)、07年第5戦のダルビッシュ(日)に次ぐ3人目の不運になった。これで、07年の中日第3戦からは4連敗。日本シリーズ最多連敗は藤田(巨)、村山(神)、北別府(広)、西口(西)の各5連敗だが、全て右投手が記録。左腕では88年第3戦から06年第2戦の山本昌(中)に並ぶ最多連敗になった。

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2012年10月29日のニュース