「しっかりしろよ、おまえ！」阿部　期待の裏返しだった公開説教

＜巨・日＞初回２死一、二塁、阿部（右）に頭を叩かれ気合を入れられる巨人・沢村

日本シリーズ第２戦 巨人１―０日本ハム

（10月28日 東京Ｄ）
　初回、けん制のサインを見落とした先発・沢村に対し、「しっかりしろよ、おまえ！」と頭を叩いて一喝した巨人・阿部。この一発で目覚めた沢村は、その後は気迫の直球勝負で８回を３安打無失点に抑え、チームを２連勝に導いた。

　川口投手総合コーチは「果敢に攻めながら非常にバランスも良かった。きょうの投球は確かなものだった」と沢村を称え、「慎之助がはたいたのが効いたんじゃないか」と“公開説教”の効果を認める。中大の先輩でもある阿部は「今年一番怒っているのは沢村」と言う。レギュラーシーズンでも同じサインの見落としがあり「彼には求められているものが大きいんだからね」と常に厳しく接してきた。

　８月７日の阪神戦（東京ドーム）。沢村は６回無失点ながら、６四球とリズムが悪く、１２９球を費やした。試合中、右腕を呼び寄せると「３００球でも受けてやるよ！好きに投げろ！」と突き放した。投手陣の中心に育ってほしいとの期待の裏返しだった。