死球交代の中田は左手甲打撲 次戦「大丈夫だと思います」

[ 2012年10月29日 06:00 ]

<巨・日>病院から球場へ戻った日本ハム・中田の左手にはアイシングでぐるぐる巻きに…

日本シリーズ第2戦 日本ハム0―1巨人

(10月28日 東京D)
 テーピングで何重にも巻いてアイシングした左手が痛々しかった。よもやの連敗スタートにも日本ハム・中田は気丈に前を向いた。

 「引きずっても仕方ない。次?大丈夫だと思いますけど。ホームに戻るので切り替えてやっていきたい。折れてない?それが一番良かったです」

 中田の名前が4回裏、スコアボードから消えた。今季初の光景だった。初回2死二塁で沢村の直球を左手甲に受けた。しびれて動かず、感覚もなくなっていたが「どうしても出ます」と強行出場を直訴。だが、骨折の可能性を案じた栗山監督は4回の第2打席で中田が力ない一邪飛に倒れた姿を見て交代を決断。試合中に都内病院で診察を受けた主砲は「左手甲の打撲」と診断されて球場に戻ってきた。

 就任と同時に「中田を日本の4番にすることが使命」と話した栗山監督は、どんなに不振が続いても4番を外さなかった。レギュラーシーズン144試合、CSファイナルS3試合全てに4番で先発出場。途中交代は試合終盤に2度代走を送られただけ。打率は・239ながら、リーグトップの勝利打点17をマークして3年ぶりリーグ優勝の立役者になるなど「4番・中田」こそが今季の日本ハムの象徴だった。

 4番を欠いた打線は9回2死から連打で一、三塁としたが、代打・二岡が右飛で零敗。今季144試合で両リーグ最多の1220安打を放った打線は、2試合でわずか1得点。栗山監督は「「明らかに(CSまでとは)全然違う感じがある。見せ場をつくっても勝たなければ何にもならない」と吐き捨てるように言った。指揮官は中田について「打撲でホッとしている。試合は大丈夫だと思う。厳しいけど今年1年、そこ(4番)を守らないといけないから」と第3戦以降の出場を示唆した上で「もう1回ゼロからきちっと自分たちの野球をしたい」と本拠地での巻き返しを誓った。

 連敗したとはいえ、シリーズは終わっていない。手負いの中田とともに、日本ハムが逆襲に転じる。

 ▼日本ハム・福島芳宏チーフトレーナー(中田について) あしたは練習なので無理はさせないかもしれないけど、分からない。アイシング治療しかないので、様子を見てみるしかない。

 【中田 過去の故障】

 ☆右手首骨折 入団1年目の08年6月14日、イースタン・リーグ西武戦(滝川)で左手首を痛め途中交代。7月14日に精密検査を受け、「左手有鉤(ゆうこう)骨骨折」で全治1カ月の診断。同16日に骨片除去のため7針の縫合手術を受けた。

 ☆左膝半月板 10年4月21日のイースタン・リーグ巨人戦(鎌ケ谷)で左膝を痛め、同10日に都内の病院で左膝半月板損傷の手術を受けた。全治2カ月とされ、7月19日のロッテ戦(札幌ドーム)で1軍復帰した。

 ☆内耳性めまい 11年9月20日の西武戦(西武ドーム)で、めまいと吐き気を訴えて欠場。同22日に耳鼻科系の検査を受け「内耳性めまい」と診断された。

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