原監督　執念継投　左続くハム打線にサウスポー山口投入

＜巨・日＞勝利投手の沢村（左）とタッチする巨人・原監督

日本シリーズ第２戦 巨人１―０日本ハム

（10月28日 東京Ｄ）
　小さなほころびも許さない。最少得点差で逃げ切った巨人・原監督は興奮気味に振り返った。

　「きょうのゲームに関しては１―０で勝つしかないというくらい、相手投手が良かった。しっかり守って、１点というものを死に物狂いでみんなが守った。そういうゲームだった」

　１―０の９回。糸井、ホフパワー、稲葉と左打者３人が続く相手打線に対して、抑えの西村ではなく、左腕の山口を選んだ。「８回に、もし３番まで回ってきたなら、山口でいこうと思っていた」。沢村は８回を３者三振に斬るなど余力は十分あったが、９回から迷わず山口を投入。２死から連打を浴びて一、三塁とこの試合最大のピンチを招くと、ここでも西村ではなく、マシソンをマウンドに送った。「延長１５回まである中で、きょうはそういう用兵をした」。最悪の延長戦を想定した起用だった。

　そしてマシソンが代打・二岡を初球、１４７キロの直球で右飛に仕留めた。日本シリーズ史上初の１球セーブ。助っ人右腕は「初めてでも、セーブを挙げたことがうれしい。１０球かかっていてもうれしかったよ」と満面に笑みを浮かべた。

　「手ごわい投手２人（吉川、武田勝）から勝つことができてよかった。２つ勝ったとはいえ、今度は敵地・北海道で戦う。フラットな形で試合に臨みたい」。相手の２枚看板を倒しての連勝。頂上に登り切るまで、原監督が盤石のタクトを振る。