稲葉 “優勝への架け橋”アーチ 13年連続2桁本塁打

[ 2012年9月28日 06:00 ]

<日・ロ>6回、本塁打を放ち陽(右)とポーズをとる日本ハム・稲葉

パ・リーグ 日本ハム3-1ロッテ

(9月27日 札幌D)
 さあ、マジック点灯だ。日本ハムは27日、ロッテ戦で1点リードの6回に、稲葉篤紀外野手(40)が10号ソロ本塁打を放ち、3―1で競り勝った。ベテランの一振りで3位以内を確定させ、リーグ一番乗りでクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。日本ハムのCS進出は2年連続5度目で、2004~06年のプレーオフを含めると通算7度目。28日から2ゲーム差の2位西武と直接対決2連戦。28日に勝てば、優勝へのマジックナンバー「4」が点灯する。

 大きな弧を描いた稲葉の打球が優勝への架け橋に見えた。実に48試合ぶりの10号アーチ。13年連続2桁本塁打とした40歳のベテランは少しだけ照れた。

 「2桁はやっぱり意識はありましたけど、優勝争いの中でホームランは捨てなきゃと思っていたので素直にうれしい。懐かしい感触でしたね」

 1点リードの6回、先頭で打席に入った。2球で簡単に追い込まれたが、粘って成瀬の7球目。外角低めに来たスライダーを拾った。体は泳ぎながらも、バットのヘッドを返してそのまま振り抜くと、打球は右翼席中段まで飛んでいった。7月31日のロッテ戦(QVCマリン)以来の一発は、リードを広げる貴重な1本となった。打てなかった約2カ月間は「今年は9本止まりかな」とも感じていたという。2桁への意識は持ちながら、優勝争いの中でチーム打撃に徹していた。

 通算2000安打をはじめ、1000打点、400二塁打達成など節目のシーズンとなっている18年目。この試合の2安打で通算2095安打目。松原誠(巨人)と並ぶ歴代26位タイとなり、ヤクルト時代の先輩、古田敦也まであと2安打と迫った。

 ドラフト同期で2歳上のヤクルト・宮本の来季現役続行表明に刺激を受けた。「僕も“あしたはない。きょうという日は帰ってこない”という思いで毎日必死にやるだけ」。若手にアドバイスを送りながら、自らも早出特打を行うなど努力は結果となって表れている。

 CS進出を決めたチームは、28日にマジック点灯をかけて西武との直接対決を迎える。それでも稲葉は言った。「連敗したって終わるわけじゃないですからね」。ベテランの平常心が何より心強かった。

 ≪最短30日V決定≫首位の日本ハムと2位の西武がともに勝ち、2ゲーム差のまま最後の直接対決2連戦を迎える。日本ハムは28日に勝てばマジック4が点灯。連勝ならマジック2となり、最短で30日に優勝が決まる。日本ハムが1敗1分けか2連敗なら、西武にM7か6が点灯する。

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