青木 日本人6人目の1年目10号「別人のような活躍」

[ 2012年9月28日 06:00 ]

<レッズ・ブルワーズ>3回、同点ソロを放ち、ベンチで祝福されるブルワーズ・青木

ナ・リーグ ブルワーズ8―1レッズ

(9月26日 シンシナティ)
 ブルワーズの青木宣親外野手(30)が26日(日本時間27日)、レッズ戦で同点の10号ソロ本塁打を含む3安打2打点と活躍。08年の福留孝介(カブス)以来、日本人野手として6人目となる大リーグ移籍1年目での2桁本塁打を記録した。チームも8―1で勝利し、残り1枠のワイルドカード争いで2位のカージナルスに再び3・5ゲーム差。残り7試合、最後まで全力を尽くす。

 久しぶりの笑みが広がった。14打席連続凡退で迎えた3回、青木が初球の外寄りのシンカーを思い切り叩いた。左の軸足に体重を乗せ、ため込んだ力を一気に解き放った力強いスイングは、打球を右翼席へわずか3・6秒で着弾させた。

 「1打席目は形(フォーム)を気にして駄目だったので、何でも振っちゃえくらいの気持ちでいったら、最高の打席ができた。この3日間とは自分でも別人のような活躍だったと思う。気が晴れたような気がする」

 7回に二塁打、8回にもダメ押しの適時二塁打を放ち、今季通算36二塁打とし、ブ軍の新人二塁打記録を更新。8月20日以来の1試合3安打を3長打で記録した。これで3冠王を狙うカブレラ(タイガース)を抜き、9月の長打数では両リーグ単独トップの17。堂々たる長距離砲ぶりに、ロン・レネキー監督も「本当か?それは驚きだ」と目を丸くした。

 理想は右足を上げる際、左足に引きつけてしっかり体重をためるフォーム。無安打だった前日までの3試合は疲労のために下半身の粘りがなくなり、左足に体重が乗り切る前にバットが始動して力ない打撃を繰り返した。この日は練習から本塁打狙い。遠くへ飛ばす意識が「下半身が使えないとしっかりした打撃はできない」と語る青木の理想の形を呼び覚ました。

 コーチやチームスタッフは、練習で柵越えを放つ背番号7を「サダハル・オウだ!」とからかう。タイプは違うが、そのフォームが日本の大打者と重なって映っているのだ。プレーオフ進出を懸けて残り7試合。「奇跡を起こせればいい」と力を込めた青木。そのバットがチームの命運を握っている。

 ≪松井より上≫1年目に2桁本塁打に到達した6選手の中で、青木は日本時代の通算本塁打、シーズン最多本塁打のいずれも最も少ない。一方、長打率・440は06年マリナーズの城島(現阪神)に次ぐ2番目で、03年ヤンキースの松井(レイズからFA)よりも上。メジャーで好打者の指標として用いられるOPS(出塁率と長打率の合計)は・796でトップと、適応ぶりが分かる。

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2012年9月28日のニュース