「やり返したい気持ちだけ」コーチ兼任の川保 点滴打って適時打

[ 2012年9月16日 11:47 ]

2回に適時打を放った兵庫・川保麻弥

 日本女子プロ野球リーグは15日、わかさスタジアム京都で後期の2試合を行い、第2試合は兵庫スイングスマイリーズが京都アストドリームスを15―5で下した。

 どんな壁だって今の兵庫の勢いがあれば、打ち破れる。今季からプレイングコーチを務める川保の大当たりが、兵庫打線の爆発を生み出した。3点リードで迎えた2回1死二塁、川保は京都先発・荒井の直球を思い切りすくい上げると、打球はレフトスタンド目指して高々と舞い上がった。「打った瞬間はフライだと思いましたけどね。想像以上に伸びました」と打った本人も驚く飛球はラッキーゾーンぎりぎりへ。秋風のいたずらで打球が押し戻されると、左翼手がなんとか叩き落とし本塁打は避けられた。だが、その左翼手が勢い余ってラッキーゾーンをぶち破って転倒する間に、二塁走者が悠々とダメ押しホームを踏んだ。

 15分間もラッキーゾーン修復に時間を取られる中、兵庫ベンチは大いに盛り上がっていた。打ちも打ったりの18安打15得点で圧勝。川保は「前期にやられた京都にやり返したい気持ちだけです。うちの選手たちは次に何をすべきか良く考えながらやってくれています」と後期6勝目に満面の笑みを見せた。この日の試合前には、なんと解熱の点滴を受けていた。3日前からの38度を超える高熱が引かず、満身創痍でのプレー。すべては京都へのリベンジしかなかった。

 また、身につけていたブルーのリストバンドには「感謝」の刺しゅうをほどこした。「これは長老会と言って、このリーグの同年代の会で私がみんなにプレゼントしたものなんです。こうやって野球が出来るのも、敵味方関係なく、みんなのおかげなんで」。兵庫だけでなく、女子プロ野球の発展を常に考える。人としての大きさを考えても、まだまだ川保が引っ張る兵庫の天下は続きそうだ。

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2012年9月16日のニュース