日本ハム ヒヤヒヤ奪首!栗山監督「生きた心地が…」

[ 2012年9月16日 06:00 ]

<日・ソ>(左から)栗山監督、ウルフの出迎えを受ける日本ハム・武田久

パ・リーグ 日本ハム4―2ソフトバンク

(9月15日 札幌D)
 日本ハムは15日、ソフトバンクを4―2で下し、4日ぶりに首位の座を奪い返した。9回1死一、二塁の場面で登板した守護神・武田久投手(33)が今季26セーブ目を挙げた。先発のブライアン・ウルフ投手(31)は7回無失点の好投で9勝目、打線も11安打を放つなど投打がかみ合っての連勝。チームは貯金を今季最多の12に伸ばした。

 試合後のベンチ裏通路。ソフトバンクに連勝して4日ぶりの首位に立った栗山監督だったが、報道陣に囲まれると胃のあたりを押さえながら壁にもたれかかった。

 「スッといきたかったけどいけなかった。勝った喜びより、やられなくて良かったという感じ。生きた心地がしなかったね…」。疲れ切ってぐったりした表情が、点差以上に厳しい試合だったことを物語っていた。

 最終回にもつれた試合を救ったのは守護神・武田久だ。4―0の9回から登板した増井が1点を奪われ、1死一、二塁の場面で登板。「準備はしていました」と言いながら、先頭の長谷川に中前打を許して2点差まで詰め寄られたが踏ん張った。一発出れば逆転という厳しい状況で今宮を三邪飛。最後は142キロ直球で高谷を遊ゴロに仕留めて逃げ切った。

 これで今季26セーブ目。2位の西武・涌井、ロッテ・薮田に3差をつけた。今季は守護神の不調に泣くチームが多い中、2年連続3度目の最優秀救援投手賞に向けてリーグトップをひた走る。それでも武田久は「1年間フル回転しているなら狙うものは狙うけど、今年はそうじゃない。運がいいだけです」と個人タイトルには無関心だ。今季は右膝を痛めて5月は1カ月間戦線離脱したが、昇格後は患部の状態も安定。生命線である低めの直球も決まるようになってきた。吉井投手コーチが「彼の強みは何よりも経験」と話すように、何度も修羅場をくぐってきた経験が10年目右腕を支えている。自身は11日に国内FAの権利を取得。今オフの去就も注目されるが「今の時点では何も考えられない」とシーズンに集中する姿勢を示している。

 「どっちに転んでもおかしくない試合だった」と指揮官は振り返った。首位を奪回したとはいえ残りは16試合。西武との直接対決も5試合残している状況で、優勝争いは最後までもつれることが濃厚。その中で勝ちパターンをしっかりと確立しているのは大きい。

 「プレッシャー?僕らの立場はゲームはつくれない。与えられた場面でいくだけですから問題ないです」。頼もしい守護神がフル回転したその先に、3年ぶりのリーグ優勝は見えてくる。

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2012年9月16日のニュース