日本ハム 栗山英樹監督分析 格言通りの投球をみせた吉見

[ 2011年11月20日 07:48 ]

日本シリーズ第6戦 中日2―1ソフトバンク

(11月19日 ヤフーD)
 心とボールのコントロールで守り勝った。崖っ縁の中日が逆王手をかけた日本シリーズの第6戦。日本ハム・栗山英樹監督(50)は7回2/3を1失点に抑えたエース・吉見の好投が最大の勝因と指摘した。

 勝てる投手の要素は一に勇気、二にコントロールと言われる。王手をかけられて迎えた第6戦のマウンド。誰もがしびれる大舞台で、中日・吉見は球界の格言をまざまざと実証してみせた。

 1点を失い、なお無死一塁をしのいだ4回の圧巻の投球 本多、内川の連続長短打で1点差に迫られた。無死一塁で打順は4番・小久保。打者は押せ押せでどんどん振ってくる状況だが、小久保にスイングさせないで追い込んだ。

 2球ボールから3球目は128キロのスライダー、4球目は134キロの直球でストライクを取った。ともに外角低めギリギリだ。不利なカウントからでも打者にはボールに見えるコースでカウントを整え、最後は外角高めのボール気味の直球で空振り三振に仕留めた。

 続く松中も1ボールから外角低めのスライダーでストライク。3球目の内角低めのボールになるスライダーを空振りさせ、最後はボールになるフォークで空振り三振だ。ボール球を振らせる環境をつくり、見事にピンチを切り抜けた。

 打線が2点取った初回は打者3人、全て見逃しのストライク2球で追い込み、3者連続三振に斬った。自分の状態がまだ分からない立ち上がりに、バットを振らせずカウントを稼ぐ。絶対のコントロールがなければできない投球。表の攻撃で動いた試合を止めて前に進み、初回の2点に大きな意味を持たせた。

 8回2死一塁から吉見をリリーフした岩瀬も同様だった。走者を気にしながらも川崎に対して一球たりともコースを間違わない。簡単に追い込み、盗塁刺殺でチェンジ。吉見も岩瀬も大事な局面で自分の投球を貫ける精神力を持つ。心とボールをコントロールできたことが、1点差を守りきれた要因だった。

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2011年11月20日のニュース