朝井“崖っ縁”で踏ん張った!6回無失点

[ 2010年10月23日 06:00 ]

<中・巨>6回、巨人・朝井が中日・英智を三ゴロに抑えほえる

 【巨人3-2中日】負けたら終わりという重圧の中、巨人の朝井はとにかく腕を振った。6回1安打無失点の快投。白星は消えてしまったが、勝利のハイタッチの列に加わる表情には一点の曇りもなかった。今季途中に楽天から移籍してきた右腕はチームの窮地を救い「何とか先制点をやらないように一人一人いった」と笑顔で振り返った。

 勝負どころはいきなり訪れた。初回、先頭の荒木に安打されると、英智に犠打を決められた。森野にはストレートの四球で1死一、二塁。ナゴヤドームでの今季のこのカード14試合で、先取点を奪ったチームが全勝しているデータは頭に入っていた。絶対にやれない先取点。和田への初球、阿部のカーブの要求に思いっ切り腕を振って低めに投げた。打球は三塁正面に転がる併殺打。最高の結果に「阿部さんのリードを理解して丁寧に投げられた」と感謝した。その後は1安打も許さず、勝利の流れをつくった。

 1メートル77と大柄ではないが、マウンドでは大きく見える。右の軸足で立った時に、かかとを上げるほど伸び上がってから投げ下ろす。特長である腕の振りを確認するために、日々の練習では常に持ち歩いている小さなアメフトボールを使ってキャッチボールする。大きく腕を振り、スナップを利かせないときれいな回転をかけられないからだ。ナゴヤドームの高いマウンドも味方し、武器である縦のカーブで、今季初対戦の中日打線を翻ろうした。

 17日のファーストS阪神戦(甲子園)では先発に抜てきされながら、初回に2点を失って降板。その悔しさも晴らし「気持ちをリセットした。必要とされるのは幸せ」と胸を張った。残り3試合は中継ぎ待機する右腕に、原監督も「あれだけ重圧がかかる時に体全体で腕を振った。いいお手本になった」と絶賛。朝井のつくった勢いに乗っていく。

 ≪山口「緊張」締め≫巨人の新守護神山口が9回を締めた。阪神とのファーストS(甲子園)でも2試合連続でセーブを挙げたが、いずれも8回から勢いをつけての続投。9回先頭からの登板はCS初で、「初めてなので甲子園の時より緊張した」。いきなり主軸を迎えたが、3番の森野を空振り三振。和田に安打を許したが、ブランコ、井端と好打者を断って1点リードを死守。「開き直るしかなかった」と安どの表情で振り返った。

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2010年10月23日のニュース