落合竜余裕1敗「0点で負けるよりいい」

[ 2010年10月23日 06:00 ]

<中・巨>6回、本田球審に抗議する落合監督と、ぶ然とする谷繁(左から)

 【中日2-3巨人】 敗軍の将とは思えない。それほど試合後の中日・落合監督の表情は穏やかだった。勝てば一気の3連勝で、日本シリーズ進出が決まる試合。小休止となる黒星に指揮官は「岩瀬で負けたらしょうがない。そんな虫のいいこと(3連勝)は考えていないし、0点で負けるよりいい」と、余裕すら感じさせながら振り返った。

 痛恨の一発は9回だった。この回から登板した岩瀬が、先頭の阿部に決勝ソロを被弾。内角シュートを右翼に運ばれ「若干、甘いところに入ったけど、だいたい意図したコースだった。何とかしたかったけど、結果がこれじゃあね…」。岩瀬はこれで、日本シリーズを含むポストシーズン24試合目で初黒星。一発を浴びるのも初めてだ。今年のレギュラーシーズンの巨人戦は9試合で無失点の9セーブ。それが…。静まり返る本拠地のスタンド。それでもベンチの落合監督はまるで表情を変えなかった。

 ナゴヤドームで対巨人戦11連勝。その間の失点はすべて3点以下で、ロースコアの展開をことごとくモノにしてきた。この日も0―2の8回、代打・野本の2ランで同点。引き分けでも日本シリーズ進出が決まる。落合監督は満を持して、前日の第2戦で温存した岩瀬を9回のマウンドに送った。そこに落とし穴が待っていたが、指揮官はあくまで冷静だった。

 「向こうも一通りの投手が出たしな。大島も野本もブーちゃん(中田亮)も、それなりに使いやすくなった」。8回に大島、野本の代打攻勢。投手ではレギュラーシーズンで登板機会の少なかった三瀬、河原が7、8回を無失点に抑え、落合監督は「あいつらは全然、心配していない」と話した。収穫もあった。何より絶対的に有利な立場に変わりはないのだから。

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2010年10月23日のニュース