ロッテ 最終戦で3年ぶりCS決めた!

[ 2010年10月2日 06:00 ]

<ロ・オ>CS進出を決め西岡と抱き合う西村監督

 【ロッテ5-4オリックス】ロッテが今季最終戦でクライマックス・シリーズ(CS)進出を決めた。1日、オリックス戦(千葉マリン)は先制されながら5―4の逆転勝ち。就任1年目の西村徳文監督(50)はパ・リーグで唯一2年連続Bクラスだったチームを立て直し、144試合目で3年ぶりのAクラスを確定させた。次なる目標は05年以来の日本一。まずは9日から、西武とのCSファーストS(西武ドーム)に挑む。

【試合結果
CS日程


 勝利の瞬間、一瞬だけ西村監督の目が潤んだように見えた。144試合目に滑り込みでつかんだCS出場。2万9538人の大観衆で埋まった千葉マリンが、西村コールに包まれた。

 「コーチ、選手、スタッフ、全員の力です。選手はどの試合も常に最後まで気持ちを切らずにやってくれた。それがこういう結果につながった」

 初回に先制されたが、すぐに逆転。しかし、負ければ3年連続Bクラスという重圧がのしかかり、若手中心のオリックスを突き放せない。8回は一発が出れば逆転のピンチを招いた。それでも最後は1点差で逃げ切り。大混戦が続いた今季を象徴するような接戦を全員の力で制した。

 最後まで重視したスローガン「和」の精神。指揮官はグラウンド内外で率先してコミュニケーションを図った。その中で抜群の野球センスを誇りながら力を出し切れていなかった西岡を主将に指名。その西岡が攻守に献身的にチームをけん引してきた。「僕の中でやり切った。強い気持ちを持ってやってきた」。初の首位打者と最多安打のタイトルに加え、チームでは91年・愛甲以来となる全試合フルイニング出場。守備でも再三、投手に声を掛けてもり立てた。

 8月には左手首痛を発症。左手小指も痛め、打率が3割1分台まで急降下したが弱音は吐かなかった。じん帯を損傷している可能性が高かったが「病院に行って、そんな診断が出たら気持ちが萎える」と診察を拒否して強行出場。指揮官とシーズン前に約束したフルイニング出場で自身もチームも結果を残した。

 リードオフマン西岡の出塁率が高く、さまざまな攻撃を仕掛けた。そんな中で指揮官は細かい野球にこだわった。04年から昨季までのバレンタイン第2次政権で6年連続2ケタ台だった犠打が113。小技を絡める堅実な野球でリーグ断トツの708得点を挙げた。また昨季まで主力だった清水(横浜)シコースキー(西武)川崎(阪神)らが移籍。競争心をあおりチームは活性化した。

 ただ、CS進出だけで喜んではいられない。指揮官は言った。「まだまだですよ。監督が甘いからリーグ優勝を逃している」。試合後のセレモニーではファンに「西武、ソフトバンクを必ず倒して、日本シリーズでこの球場に帰ってきます」と約束した。新生ロッテの本当の勝負はこれから始まる。

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2010年10月2日のニュース