吉見 評価したいG戦5勝、きつかったマエケンとの対決

[ 2010年10月2日 12:13 ]

ビールをかけられ笑顔の吉見

 4年ぶり8度目のリーグ制覇を果たした中日。今季ここまで12勝を上げている吉見一起投手(26)が手記を寄せた。

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 今年は本当にしんどいシーズンでした。オープン戦では足にボールが直撃するし、初の開幕マウンドも正直「嫌だな」という思いがありました。春季キャンプから調子も上がらなかったし、納得いかなかった。常に次へのキッカケを探る登板ばかりでした。

 その中で12勝。昨年16勝で数字は下がりましたが、今年の価値の方が大きかったです。一つは巨人戦、もう一つはマエケン(広島・前田健)の存在があったからです。

 去年まではどこに勝とうと1勝は1勝と思っていました。でも巨人に勝たないと意味がないという人もいました。そして去年1年間(ローテで)やってみて思ったのが「巨人に勝たないと上のレベルにはいけない」ということでした。だから今年の自主トレでは地元・大阪の勝尾寺のだるまに「巨人戦5勝」と書きました。シーズンでは5勝1敗。どんな形であれ、それを成し遂げることができたのは評価したいと思います。

 もう一つのマエケンは現在、唯一意識する投手です。今年のオープン戦で見た時、一言「凄かった」。今年は4度対戦して2勝2敗。投げ合うのは一番きつかった。でも持っている力以上のものを出させてくれて楽しかったです。相手の投手と勝負するのはいけないことですが、マエケンの存在は常に頭の片隅にあった。登板後の疲れ方は半端じゃなかったです。ワガママ言えるなら2日間休みが欲しかったです。その中で投げてきた。自信はどの試合も正直ありませんでしたが去年と違って不安を補う精神的な強さの部分は付いたかな、と。

 開幕投手を務め、周囲からは「エース」と呼ばれることもありましたが自分はそうは思っていません。僕は1軍投手陣の中では下の方なので良いパイプ役になろうと。それは今も変わらない気持ちです。ただ、開幕投手は選ばれた投手しか務めることができない舞台ですから。状態や周りの状況もあるけど、CSや日本シリーズでも開幕戦で投げるつもりです。日本シリーズは1試合1イニングしか投げたことがないですし、勝ちたいです!(中日投手)

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2010年10月2日のニュース