最終戦で“滑り込み”セーフ!本多、盗塁王確定

[ 2010年9月27日 06:00 ]

6回、二盗を決める本多

 【ソフトバンク3-8楽天】自然に笑みがこぼれてきた。プロ5年目。初めて味わうリーグ優勝の瞬間を、ソフトバンク・本多は一塁ベース上で迎えた。3回2死一、三塁の場面。「初めてだから、とにかくうれしくて」。緩む口元を引き締めて、優勝決定から2球目にスタート。二盗を成功させて笑った。

 さらに本多の足は加速する。6回、この日3安打目となる中前打で出塁して二塁を陥れた。59盗塁。トップの西武・片岡と並んで初タイトルとなる盗塁王を最終戦で確定させた。9回2死一塁では、一塁手がベースから離れていて盗塁が記録されない可能性もあってスタートせず「片岡さんはケガしてるし、並んでよかった」と言った。
 才能が開花した1年だった。「昨年より2足分リードを広げました。その分、帰塁の意識を強くした。少しスタートが遅れてもリードが大きいからセーフになる」。二塁を狙う盗塁だが、本多の意識の中では「戻る」ことに重きを置いた。単純でも「2足分」が爆発的な効果を生む。開幕直後から2番に定着し、09年・川崎の持つ43犠打の球団記録を更新しての盗塁数は価値がある。
 1月に初の海外自主トレとなるサイパンに渡った。ストレッチ、補強運動は自ら体に合うように考え、例年は調子を落とした終盤戦まで耐えられる体をつくり上げた。その成果が144試合目での盗塁王確定。1年通じてチームの大きな武器となって「それが僕の仕事ですから」。CS、そして日本シリーズまで本多の足は止まらない。

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2010年9月27日のニュース