「ローズを超えてあげたい」イチロー最後の“人との争い”

[ 2010年9月27日 15:48 ]

 連続200安打の大リーグ記録はウィリー・キーラーが1894年から1901年にかけて達成した8年連続。100年以上もメジャーリーガーたちがなし得なかった記録に、マリナーズのイチローは肩を並べ、抜き去った。

 2008年、イチローは強く意識していた。「今年の200、どうしても外せなかった。過去にトライした人がいなかった、その権利を持った人がいなかったということ。5年やったときに、8年やった人がいるのかと思ったことがある。それはどうかな(難しいな)と思って、実際に来ちゃった」。151試合目の9月17日、遊撃内野安打で大台に到達した。

 そして、09年9月13日。128試合目で前人未到の記録を達成。このとき、真っ先に口をついて出た「解放されましたね」の言葉が印象深い。

 「人(の記録)との戦い、争いに終わりを迎えることができた。人と争うことを意識しながら(野球を)やると、やっぱり面白くないですから。これからは変わるんじゃないですか。だって自分だけと向き合っていけばいいんだから」

 連続記録を「10」に伸ばし、達成回数でも最多のピート・ローズに並んだ今季は、メジャーでの道のりをたどるようなコメントを口にした。

 「1年目のスプリングトレーニングで『彼からヒットを打てると思いますか』という質問が飛んできた。いまはヒットが出ないと『何で出ないのか』という質問に変わった。そういう状況をつくれたのはすごく良かった。周りを変化させられたことに対してはちょっとした気持ちよさがある」

 その先にあるのは未知の領域。「(ローズを)ぜひ超えてあげたいですね」。イチローの自信に満ちた答えが返ってきた。(共同)

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2010年9月27日のニュース