斎藤 自己最速150キロも4失点でだんまり

[ 2010年9月12日 06:00 ]

<早大・法大>2回無死、法大・多木に先制本塁打を打たれた早大・斎藤は、捕手・市丸に手を挙げ気丈に振る舞うが…

 東京六大学野球第1週第1日が11日神宮で開幕し、2試合が行われた。ロッテ、ヤクルトが今ドラフトで1位指名を公言している早大・斎藤佑樹主将(4年)は、法大相手に自己最速の150キロをマークしながらソロを被弾するなど5回7安打4失点で降板。チームも2―4で敗れて、ラストシーズンは不本意な黒星スタートとなった。また、連覇を狙う慶大は東大に15―0で先勝した。

【試合結果


 試合後の会見場。大学野球ラストシーズンを黒星で発進した早大・斎藤の姿はなかった。多くの報道陣の前に現れたのは、エースでも応武監督でもなく、背広姿のOB会副会長・鈴木先輩理事だった。
 「応武監督に関してはぼうこう炎ということです。選手は監督が引き揚げさせました。取材拒否ではありません。本日はご勘弁願いたい」。05年秋の東大戦以来10季ぶり開幕戦黒星のショックはありありだった。
 斎藤は2回、多木に左越えソロを被弾したが、直後に自己最速の150キロで土井を見逃し三振に仕留めた。「いつか150キロを出したい」と熱望していた大台到達も、4回には3安打に野選も重なり3失点。球速が増した一方で、生命線の制球が甘くなって5回4失点で降板した。自身開幕戦は7試合目で初の黒星。ベンチに戻った右腕は険しい表情で敗戦を見届けた。
 今春リーグ戦は2位。金メダルを目指した今夏の世界大学野球選手権も3位に終わった。沈み込む独特のフォームに安定感をもたせるため、ラストシーズンに向けて徹底して下半身を強化してきた。「もうフォームチェックはしていません」と手応えをつかんで臨んだ開幕戦で、答えを出せず通算13敗目を喫した。
 10月28日のドラフト、そして直後には最後の早慶戦が控える。4年前、自ら選んだ大学でのプレーを有終の美で飾ることができるのか。すべては自身の右腕に懸かっている。

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2010年9月12日のニュース