西武優勝M8点灯!涌井が1カ月ぶり14勝目

[ 2010年9月12日 06:00 ]

<西・ロ>勝利投手の西武・涌井は、ヴィクトリーロードを上がりファンとハイタッチする

 【西武4―2ロッテ】西武が11日のロッテ戦に勝利し、2位・ソフトバンクが日本ハムに敗れたため、優勝マジック「8」が点灯した。先発した涌井秀章投手(24)が7回3安打1失点の好投で、自身1カ月ぶりとなる14勝目をマーク。打線も効果的に右腕を援護し、2連勝を飾った。2年ぶりのリーグ制覇へ向け、いよいよカウントダウンに入った。

【試合結果


 涌井にはショックな出来事が、この1週間に2度起こっていた。4日の楽天戦(Kスタ宮城)では5点差の9回に5連打を浴びて降板し、チームはサヨナラ負け。6日深夜には都内で追突事故を起こした。平常心でマウンドに上がることが困難な中、涌井は勝った。
 「1カ月迷惑をかけていたので、勝ててホッとしています。自分もそうですけど、チームも勝っていなかったので…」
 8月13日のオリックス戦(西武ドーム)以来の勝ち星。細川との試合前の打ち合わせは「真っすぐ主体で立ち上がる」。初回は15球中13球が直球(シュート含む)。細川は「涌井という投手を考えた時に、こうしたら後半に生きると思った」と説明した。その直球を2安打され1点を失ったが、2回以降は直球の割合を減らしていった。3回から7回まで無安打投球だった。
 涌井は「真っすぐは行っていないなと思っていました。細川さんがうまくリードしてくれました」と女房役に感謝した。ロッテ戦の登板は今季5試合目。シーズン終盤で、優勝に望みを残す相手は当然、研究を重ねて来る。バッテリーは、その上を行った。初回の直球攻めに加え、過去4試合とは違う配球は、チェンジアップの封印だった。完封勝利を挙げた7月16日の対戦では14球も使った決め球は、この日はわずかに2球だけだった。
 7回98球。今季150球超も2試合ある涌井には少ないが、渡辺監督は「勝ちが付かなくてフラストレーションがたまっていたと思う。前回がああいう形だったからワクも目いっぱいだった」と説明した。マジック点灯には「それにこだわらずに普段通りの野球ができれば」と引き締めた。
 事故の影響には相手方を気遣って口をつぐんだが、真しに自分の仕事に取り組むことが今できること。今季最多の3万3920人が見守る中、涌井がマジック8を点灯させた。最短で18日のソフトバンク戦(ヤフードーム)に歓喜の瞬間が訪れる。

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2010年9月12日のニュース