初の逆転被弾…「考えなあかん」球児頼みの現状

[ 2010年9月12日 06:00 ]

<神・ヤ>8回2死三塁、2ランホームランを打たれガックリの阪神・藤川

 【阪神2―3ヤクルト】阪神・藤川が両手を腰に当てて、天を仰いだ。8回、1点差に迫られなおも2死三塁から、ホワイトセルの打球は左翼ポール際に消えた。プロで初めて浴びた逆転本塁打に守護神は唇をかんだ。

 「仕事ができなくて悔しい。勝たなあかん。そういうつもりでやっているから。2点を守れないクローザーじゃダメ」
 また8回からの登場だった。1死二、三塁から飯原の二ゴロで1点差。ホワイトセルへの2球目150キロの外角高めをはじき返された。先発のメッセンジャーは7回無失点の好投。前夜10日は久保を6回81球で降ろし裏目になった。真弓監督は「きょうは2イニング行ってもらおうと思っていた」と予定通りを強調。だが、結果は連日の救援失敗で引き分けを挟み手痛い3連敗となった。

 藤川は7日の中日戦では8回から、引き分けた9日の中日戦も10回から、ともに2回を無失点に抑えた。1試合1回が基本の守護神にとって非常手段である、回またぎの登板が続いた。この1週間で3回目の結果は悪い方に出た。守護神に定着する以前の、05年6月8日のオリックス戦以来5年ぶりの1試合3失点。救援転向後、最多のシーズン6被本塁打。藤川頼みが疲労を蓄積させる。「球児で勝ちにいった。それでやられたんだから、使い方が悪いということなんだろう」と久保投手コーチ。真弓監督も「それ(疲れ)もあるかもしれない。ちょっと考えなあかんね」と起用法の再考を示唆した。
 2日連続の継投失敗で中日とは1・5ゲーム差に広がった。残り20試合。「疲労はない。大丈夫。またあしたもあるし、最後までやるべきことをやっていく」。気丈に前を向いた藤川の言葉だけが救いだった。

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2010年9月12日のニュース