サヨナラ男だ!坂本弾で虎に0・5差離されん!

[ 2010年7月29日 06:00 ]

<巨・中>延長11回2死一・二塁、巨人・坂本が左越えにサヨナラ3ランを放ちナインに迎えられる

 【巨人7―4中日】これが巨人の底力――。巨人・坂本勇人内野手(21)が28日、中日との延長戦にケリを付ける劇的な18号サヨナラ3ラン。チームの中日戦連敗を4で止めた。前日は敗れて首位の座を阪神に明け渡したが、ゲーム差0・5をしっかりキープした。坂本のサヨナラ本塁打4本は早くも巨人球団史上8位タイ。21歳の若武者が土壇場で勝負強さを見せつけた。

【試合結果


 時計は午後10時を回り、鳴り物の応援はなかった。それでも歓喜に沸くファンは、この日一番の歓声を坂本に贈った。4時間15分の大熱戦に自身4度目、今季2度目のサヨナラ弾で終止符を打つと、ナインから脱がされかけたユニホームを整え、お立ち台に上がった。
 「本当にメチャクチャ気持ちよかったです。(打球は)見てないです。最高の手応えでホームランになると思いました。(サヨナラ弾は)その瞬間に試合を決められる。野球をやっていて一番気持ちのいい瞬間ですね」
 4―4で迎えた11回2死一、二塁。1ボールからの2球目、平井のど真ん中に入ったフォークの失投を見逃さなかった。こん身の力で振り抜くと、次の瞬間は両手を叩いて一塁側ベンチへ右手を突き上げた。打球の行方を見届ける必要などなかった。左翼バルコニー席に飛び込む、文句なしの特大弾。「甘く来たら、と思っていました。力の抜けた、いいスイングだった」と珍しく自賛するほどの当たりで、89試合目にして早くも昨季の18本塁打に並んだ。
 3年連続出場した今年の球宴。お祭りにふさわしい、派手なグラブやシューズ、バットも普段のとは違う黒と茶色のツートンカラーのものを使用した。しかし、形状や重さは公式戦仕様と同じにしていた。「(球宴は)楽しめました。技術とかの話もしなかったですね」。高卒2年目だった08年の初出場時はヤクルト・宮本らから守備の技術を学ぶ場だった。3度目の今季、その位置づけは変わったが、楽しみながらもシーズン同様の感覚は失わないよう、後半戦に向けてしっかり準備は整えていた。
 7月の負け越しはすでに決まっている中で、悪い流れを断ち切るサヨナラ勝ち。原監督は「(坂本は)勝負強さが出た。最終的には度胸。度胸のない者は熱い戦いでは結果が出ない」と激賞した。夏も本番。勝負はここからが熱くなる。佳境に入るシーズンを、坂本のバットが熱くする。

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2010年7月29日のニュース