7戦連続マルチ!イチローは打ちまくっても…

[ 2010年5月17日 06:00 ]

レイズ戦の8回、右前打を放つマリナーズのイチロー

 【マリナーズ2-3レイズ】マリナーズのイチロー外野手(36)が15日(日本時間16日)、レイズ戦で2安打し、大リーグでの自己最長記録に並ぶ5度目の7試合連続マルチ安打をマークした。今季の安打数54は両リーグを通じて単独トップ。この7試合の打率は・567で、自身2番目となるシーズン243安打ペースで打ちまくっているが、チームは今季5度目のサヨナラ負けを喫した。止まらないバットと裏腹に、低迷への苦悩も尽きない。

 打っても打ってもチームは波に乗れない。終盤に2点差をひっくり返されてサヨナラ負け。試合後、イチローは会見を行わずに球場を後にした。
 3回に中前打を放ち、8回の右安打でメジャー自身最長タイの7戦連続マルチ安打を記録。02年のD・レラフォードの球団記録とオリックス時代の自身最長でもある8戦連続にリーチをかけた。春先から200安打について「打てないわけがない」と話す通りの量産ぶりだが、そんな活躍も白星に結びつかない。
 チームの状態を象徴する場面は2点リードの8回の攻撃。1死一塁でイチローが先発シールズの内角高め直球を思い切り引っ張り右翼線へ運んだ。文句なしの長打コース。しかし、一塁走者の捕手ムーアが二塁塁上でストップ。左ひざを抱える姿を見たイチローは慌てて一塁へ引き返した。
 ワカマツ監督は「二塁ベースを回った時、ひざに痛みが来たようだ。イチローの長打で最低でも二、三塁。攻撃できっちり点を取っておけば、全く違う試合になった」と悔やんだ。ムーアは直前の遊撃内野安打で一塁ベースを駆け抜けた際、既に左かかとを痛めていた。それでも、ベンチ入りしているもう1人の捕手ジョンソンが腰痛を抱えており、代走を送る決断に踏み切れなかった。
 結局、次打者のフィギンズが併殺打で無得点。その裏に同点に追いつかれ、9回には4番手コロメがサヨナラ本塁打を浴びた。「得点機で何とかしないといけない」と指揮官が嘆く通り、挙げた2点は暴投とソロ本塁打。7度の得点機で走者を還せなかった。
 イチローのこの7試合の打率は・567で、マウアー(ツインズ)を上回るリーグ3位の・360に引き上げた。安打数も両リーグ単独トップの54本。このままでは孤軍奮闘が際立つばかりだ。

 ≪すごい!243安打ペース≫イチローは今季36試合目で54安打。162試合に換算すると243安打ペースで、この数字はメジャー1年目の242安打を上回り、年間最多安打記録を達成した04年の262安打に次ぐ。ちなみに04年は36試合消化時で51安打だった。

 ≪大リーグ記録は13戦連続≫イチローはオリックス時代の98、99年に8戦連続マルチ安打をマーク。日本記録は01年の日本ハム・小笠原(現巨人)らの10戦連続で、大リーグ記録は1923年のR・ホーンスビー(カージナルス)の13戦連続。

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2010年5月17日のニュース