11年目の開眼!高山「ハッタリ」落合打法でV打

[ 2010年5月17日 06:00 ]

決勝打を放った高山の構え

 【西武6-5横浜】神主のように立てたバットから放たれた打球は右前へ運ばれた。9回2死二塁から決勝打。西武・高山は一塁ベース上でガッツポーズだ。送球間の二塁進塁を忘れて清家一塁コーチャーから叱責(しっせき)されたヒーローは「青ざめた」と苦笑いも「1日1日野球ができる喜びに浸りながら試合に臨んでます」と笑顔に変わった。

 「決して余裕はなかった。ハッタリでそう見せようとしてるんです」。そう表現したのは落合博満(現中日監督)ばりの神主打法。2ストライク2ボールと追い込まれながら、ハマの守護神・山口の152キロ直球を体の近くまで呼び込んで打ち返した。ハッタリは照れ隠し。力が抜けたような自然体の構えが打席で余裕を感じさせるのだ。
 高校通算43本塁打を引っ提げ、九州学院から99年ドラフト1位で西武に入団。楽天・岩隈、ヤクルト・青木ら華やかな同世代の活躍を横目に1度もレギュラーを獲れずに10年が過ぎた。昨秋から「何かを変える」と神主打法に取り組んで開眼。試合のない日でも所沢の室内練習場で早朝から打ち込み、フォームを固めた。テーマは脱力で「リラックスできる構えでしっくりきた」。実は落合のフォームをまねたわけではなく、自然にそうなった。落合の現役時代のビデオを見始めたのはシーズンに入ってからでタイミングの取り方などを参考にしている。
 プロ11年目で初の開幕スタメンを奪い、4月中旬からレギュラーに定着。打率・328で規定打席到達まで残り12打席まで迫り、2軍監督時代から高山に期待してきた渡辺監督も「よく打ってくれた」と喜んだ。39安打のうち、中堅から右方向は22本。昔のような力任せに打つ姿ではない。

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2010年5月17日のニュース