米100人斬り!ヒデキ感激2年連続バースデー弾!

[ 2009年6月14日 06:00 ]

<ヤンキース・メッツ>自身の顔のプリントされた巨大誕生日ケーキの火を満足そうに吹き消す松井秀喜

 【ヤンキース9―8メッツ】ヤンキース・松井秀喜外野手が12日(日本時間)、メッツとの“サブウエーシリーズ”で、自らの35歳誕生日を祝う9号逆転3ランを放った。昨年の逆転満塁弾に続く2年連続のバースデーアーチは03年のヤ軍移籍以来、100人目の投手からの本塁打となるダブルメモリアル弾。再逆転されたチームだが1点を追う9回2死一、二塁、メ軍二塁・カスティーヨのまさかの落球で逆転サヨナラ勝ち。ゴジラの記念弾が奇跡を呼び込んだ。

【ヤンキーススタジャン


 両手に残る感触、耳をつんざく歓声。新球場最多動員の4万7967人からの喝采が、松井が自らのバットで得た最高の“プレゼント”だった。
 「試合の展開の中でもいい本塁打だったと思う。狙い球を絞りやすい状況だったし、甘く入ってきた球をうまく打てた」
 2点を追う6回1死一、二塁。代わったばかりの左腕スウィッツァーの真ん中外寄り90マイル(約145キロ)直球を完ぺきにとらえた。外角に外れるスライダーを2球見極め、2ボールからの甘い直球を右翼2階席まで運ぶ逆転9号3ラン。昨年の誕生日は決勝の逆転満塁弾。2年連続となる誕生日アーチにジラルディ監督は「あしたも誕生日だといいな。(誕生日でなく)誕生週間だったらいいのに」と笑った。チームはその後逆転を許したが、9回に相手のまさかの落球による奇跡的な逆転サヨナラ勝ち。歓喜の輪に飛び込んだ松井は「本当に野球は何が起こるか分からない。あす以降につながる大きい勝利になればいい」と笑顔で振り返った。
 記念日に達成したもう一つのメモリアルが、メジャー投手100人斬りだ。03年4月8日のツインズ戦で放った満塁弾を皮切りに、100投手からの本塁打はもちろん日本人では初の快挙。移籍当初は大リーガーの球の切れやクセ球だけでなく、対戦する投手の数の多さに戸惑ったが「今は全然違います。タイプを当てはめていけばいい」。過去に対戦した投手を頭の中の“タイプ別ファイル”に分類。自身の中での対策を簡略化した。スウィッツアーとの対戦は07年までに9度対戦して8打数1安打。2年ぶりで「データはほとんどないですよ」と言いながら投球練習中にベンチに戻って、打撃コーチの持つ分析表をチェック。10秒足らずで攻略法はイメージできていた。
 「また1つ年を重ねたというくらい」と松井が表現した35度目の誕生日。12日午前0時すぎにボストンの空港を離陸したが、雷雨で3時間遅れて帰宅は午前5時。試合は午後10時53分に終了し、帰路に就いたのは午後11時50分すぎと長い1日だったが、心地よい疲れが体には残っていた。
 松井が立てた35歳の唯一の誓いは「去年は(誕生日弾の)後に左ひざを痛めたから、今年はそういうことはないようにしたい」。切なる思いを、6月反攻につなげる。

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2009年6月14日のニュース