震災から１年…岩隈　１カ月ぶりの勝利

試合終了後、捕手の藤井（左）と笑顔で話す楽天・岩隈

　【楽天９―０横浜】楽天が３連勝で勝率５割に復帰した。３回に西谷のスクイズで先制。５回に山崎武のソロなどで３点、６回には６安打で４点を加え、一方的にリードを広げた。６回無失点の岩隈は自身の連敗を３で止め、６勝目。

　エースがようやくトンネルを抜けた。楽天の岩隈は本調子ではなかったものの、６回を４安打無失点で約１カ月ぶりの６勝目。自身の連敗を３で止め、チームを勝率５割に導いた。

　６月１４日は特別な日だった。ちょうど１年前に岩手・宮城内陸地震が発生。死者１５人、行方不明者８人の惨事となり、先発予定の試合が中止となった。翌日にスライド登板し、巨人を完封した。昨季の２１勝の中で、一番印象深いという試合だ。

　試合前のロッカールーム。震災から１年を伝えるニュースを見て、「１年たったのか。自分も頑張ろう」と思いを新たにした。投球フォームのバランスの乱れに苦しみながらも、２併殺打を打たせるなど、粘り強い投球で横浜打線を封じた。

　チームは岩隈の連敗と歩みを合わせるように失速したが、３連勝で一息つくことができた。「迷惑をかけたが、意味がある足踏みだったととらえたい」。反攻へ向け、右腕は静かに燃えている。