ラミ ひと振りでベンチのミス帳消し!

[ 2009年5月16日 06:00 ]

<広・巨>4回、先制3ランのラミレス(左)はお約束のポーズ(右はゴンザレス)

 【巨人5-2広島】ラミレスのひと振りが巨人ベンチを救った。試合後のベンチ裏。安どのため息をこぼした原監督は「予想とは違った所がある。ベンチのミスですからね」と語った。まるで敗軍の将のような弁。今季初めて、相手の先発投手を読み違えたことを認める言葉だった。

 メンバー表交換直後の巨人ベンチに動揺が走った。先発を右のルイスと予想し、先発メンバーは右投げの打撃投手を相手にした。相手先発の左右で組み替える打線には、6人の左打者が並んだ。だが、先発は左腕の青木高。試合直前には普段よりも時間をかけて対策を練ったが、3回まで1人の走者も出せなかった。
 そんな嫌な流れを消し去ったのは4回だ。1死から松本、小笠原の連打で回ってきたラミレスの第2打席。初球の137キロ直球を左中間最深部に運んだ。「高めの直球に振り負けず、とらえることができた。振り切れたけど(中堅の)赤松さんに捕られるかと思ったよ」。原監督は「最初の3ランで主導権を握れた」とチームを救った4番を称えた。
 ラミレスにとっては不測の事態ではなかった。「いつも3連戦で投げそうな3人の先発投手のDVDを事前に見ているので、面食らったりはしなかった」。当初は2戦目の先発が予想された青木高の投球も、事前にしっかり研究していた。1打席目は直球を見せ球に攻められ、チェンジアップに三振を喫した。配球も読み、チャンスできっちり結果を出した。
 ここまで1勝4敗1分けと唯一負け越していた広島相手に、価値ある1勝。貯金を今季最多の14に伸ばした。「あすもぜひ勝ちたいね」。ベンチのミスをはね返した4番の一言は力強かった。

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2009年5月16日のニュース