復帰即大仕事!松井秀“快気祝い弾”!

[ 2009年5月16日 06:00 ]

<ブルージェイズ・ヤンキース>8回無死、ヤンキース・松井秀喜が4号決勝ソロアーチを右翼へ放つ

 【ヤンキース3-2ブルージェイズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(34)が14日(日本時間15日)のブルージェイズ戦で、2―2の8回に決勝の4号右中間ソロを放った。12日の試合で右太腿裏に張りを訴えて途中交代したものの、1試合欠場しただけで早速スタメン復帰。19打席ぶりとなる“快気祝い弾”は今季初の決勝打にもなって、チームは勝率5割に復帰した。故障に対する松井の素早い対処が、結果的に首位相手の大きな白星へとつながった。

【試合結果
ヤンキーススタジャン


 心配された全力疾走もこれなら必要なかった。松井は悠々とダイヤモンドを一周。接戦の終盤に飛び出した4号決勝ソロ。今季初のV打は右中間に飛び込んだ。
 「あの展開で打てたのは良かった。甘くスライダーが入ってきたのでラッキーだった。万全じゃない?どういう状況でも、グラウンドでは結果を出さなくちゃいけない」
 8回、先頭の松井に対してブ軍は長身の横手投げ左腕カールソンを投入。直球で内角を攻められカウントは2―2と追い込まれたが、内角から真ん中やや低めに入る決め球のスライダーにぐっと踏み込んだ。「内を攻められても絶対に踏み込んでいかなくちゃいけない。だからこそ打てた」と自画自賛の一撃だった。
 12日のブ軍戦、三ゴロで全力疾走した際に右太腿裏に違和感を覚えた。「誰も気づかなかったと思う」程度だったが、即座にトレーナーへ報告して次の打席から退いた。主軸打者として責任を果たしたい気持ちをこらえたのは、教訓があったからだ。07年開幕直後の4月7日、走塁中に左太腿裏を痛めたがそのまま守備に就いた。結局、痛みは引かずに途中交代、翌8日に軽度の肉離れで故障者リスト入りした。「あの時のことがあったので、無理しないようにした」と松井。今回は翌13日も大事をとって欠場。この日は試合前に電気治療など念入りにケア。患部にサポーターをつけて試合に臨んでいた。
 連勝でチームの勝率は5割に復帰。ジラルディ監督は12日に松井が交代を直訴した件を振り返り「あれが彼を助けた。選手は誰でもプレーがしたい。大事なのは我慢する時を知ること」とその姿勢を称賛したうえで「マティ(松井)は、ああいう(競った)状況で活躍する。1年間健康なら常に100打点を稼げる打者なんだ」と力説した。
 松井は過去、イニング別打撃成績で8回は打率・257と9イニングの中で2番目に低く、カウント2―2も・173と苦手にしていた。故障という難敵に加えて、2つの鬼門も乗り越えた。全力プレーでの故障の再発については「ひざは本当にいい状態だし、太腿もかなり良くなってきた。再発?気をつけられる範囲で気をつけるしかない。無意識の時は仕方ない」と悠然と構えた。シーズンはこれから。頼れる男のバットがチームを押し上げる。

続きを表示

2009年5月16日のニュース