林昌勇 日本歴代2位の160キロ出た~

[ 2009年5月16日 06:00 ]

<ヤ・神>9回に登板し、打者3人をピシャリと抑えた林昌勇

 【ヤクルト2-1阪神】ついに出た。9回2死。ヤクルトの守護神・林昌勇が阪神・新井へカウント2―1からの5球目だった。ファウルになった打球の行方より、観客の目は電光掲示板にクギ付けとなった。160キロ。自己最速の157キロを上回り、08年クルーン(巨人)の162キロに次ぐ日本歴代2位だ。どよめきをよそに本人は冷静だ。

 「そんなに感触はなかった。普段通りだったよ」

 上手投げよりも球速が出にくい横手投げ。160キロを記録した秘けつは体の柔らかさにある。横浜時代にクルーンの球を受けていた相川は「林昌勇は体のねじれが凄い。体全体がムチみたいにしなってバチーンとくる」と評した。過去に全日本のトライアスロン選手を担当していた藤沢トレーナーによると、肩関節が水泳選手並みに柔らかいという。「野球選手であのくらい動く人は見たことがない」と話した。

 登板8試合連続で今季12セーブ目。いまだ失点はない。3月のWBC決勝でイチローに決勝打を打たれて以来「あれ以上のプレッシャーはない」という。日本記録の162キロ更新には日本語で「ムリデス」と即答したが、「これから気温も上がし、スピードは出ると思う」。チームは今季4度目の3連勝で05年6月以来の貯金6。冷静沈着な右腕は「自分の記録より、チームが80勝すればいい」と話し、口の左端を上げてちょっとだけ笑った。

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2009年5月16日のニュース