涌井「意識」して2年ぶりとなる完封!

[ 2009年5月16日 06:00 ]

<ロ・西>完封勝利の涌井秀章

 【西武18-0ロッテ】大量点でも集中力は途れません。西武は15日、先発全員の17安打で今季両リーグ最多となる18点を奪い、ロッテに大勝した。投げては、先発の涌井秀章投手(22)が大量援護に守られて4安打完封。自身2年ぶりとなる完封で4勝目をマークし、チームは5割に復帰した。

【試合結果


 18―0という点差もあったからだろうか。試合終了から約10分後。涌井はヒーローインタビューを終えると、アイシングもせずに帰りのバスへと向かった。味方の大量援護に直後のアフターケアさえ必要なかった。

 「(7回に)8点を取ってくれた時はリズムが狂ったけど、向こうが打ち損じをしてくれたので。きょうはいい勝ち方ができました」

 マウンド上でいかに集中力を切らさないかが勝負だった。7回までに15点の大量援護。一方的な試合運びでモチベーションを持続させたのは、07年4月17日日本ハム戦(当時グッドウィル)以来、2年ぶり完封勝利を狙うことだった。「(完封勝利が)2年ぶりということは分かっていた。点差が開いたことで逆に意識しました」。4月10日楽天戦(Kスタ宮城)では8回まで無失点もあっさり降板。「記録にはあんまり興味がないんで」とまで言っていた男が、その記録を意識してマウンドに立ち続けた。

 そのためにも、味方の長い攻撃中にベンチにただ座っているのではなく、早めにキャッチボールを行い、グラウンドにいることで集中力を持続し続けた。普段なら140キロ台中盤の直球も、中盤以降は140キロ台前半にセーブ。省エネ投球を意識した結果、今季1試合平均134球を費やした右腕が120球で完投した。渡辺監督も8回終了後に続投を指示し「普通なら集中力が切れるところ。でも完封もあったしここのところの涌井は安定感のある投球が続いている。言うことはない」。9回、最後の打者・竹原に投じた118球目がこの試合最速の146キロを計測したのが余力がある何よりの証だった。

 チームを今季初の4連勝で5割復帰に導き「完封できたことも、中継ぎを休ませたことも大きいです」。昨季王者が交流戦を前に息を吹き返した。

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2009年5月16日のニュース