多田野 大場との投げ合いは忘れ得ぬ1勝に

[ 2008年7月13日 06:00 ]

<日本ハム・ソフトバンク>2回2死長谷川の打球を体で止める多田野

 【日本ハム9―6ソフトバンク】何とか先輩の面目は保ったが、日本ハムの多田野は苦笑いを連発した。

 「先頭打者を何度も出したので、力む投球が続いて自分の思うようなピッチングができなかった。うれしいことなんですけど(味方の序盤の猛攻で)ベンチで待つ時間が長くなって難しかった」
 6回7安打4失点。内容には決して納得していないが、チームが勝ったことがうれしかった。
 八千代松陰の5歳後輩であるソフトバンク・大場との投げ合い。実現したい夢の1つだった。立大時代に母校グラウンドを訪れた際、一目で大場の才能を見抜いた。それ以降、兄貴分として大場を支え、今年の自主トレも一緒に汗を流した。若くして注目を浴びる大場を心配し、時間があれば電話やメールで激励。2軍に降格した時には、「早く上がってこい!」と本気でしっ責した。
 さらに多田野の母・寛子さん(62)と大場の母・富二子さん(52)は多田野の“日本プロ初登板”4月25日のイースタン・楽天戦を応援に訪れるなど、家族ぐるみの交際をしてきた。
 「同じ試合で投げ合えてうれしかった」。多田野は大場との投げ合いを振り返った。6回にはレストビッチに40キロ台の超スローボールを投げてスタンドを沸かせた。忘れ得ぬ5勝目。試合後は同僚の宮西、そして大場を誘って札幌市内で会食。ついさっきまでの好敵手は、いつもの可愛くて生意気な後輩に戻っていた。

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2008年7月13日のニュース